「街の法律家」行政書士(ぎょうせいしょし)という職業を耳にしたことのある人も多いかと思います。
行政書士は、毎年、約4〜5万人もの受験者数がある人気の職業で、仕事は役所(各省庁、都道府県庁、市・区役所、町・村役場、警察署等)に提出するあらゆる書類を本人に代わって作成し、それらを官公署に代理で提出する届出代行などを行える許認可業務のスペシャリストです。
ですが、このように業務内容を書いても、実際に行政書士がどのような仕事をしているのか?、また行政書士の国家試験がどれくらい難度の高いものなのかについては、具体的には把握できてないという人も多いのではないでしょうか。
そこでこのページでは「行政書士の仕事・試験・勉強法」について解説します。
このページを読み進めれば、行政書士の仕事内容や年収事情、国家試験の難易度や各試験科目対策についてなど、行政書士になるための準備として一通りのことを学ぶことができます。
行政書士ってどんな仕事?
行政書士は、業務範囲が広いことが特徴で、官公署などへの手続きや権利義務、事実証明関係書類などに関する法律と実務の専門家です。
「街の法律家」として、国民と行政の橋渡し役として活動していますが、行政書士の業務を聞かされてもとピンとこないと思いますので、以下では行政書士の仕事内容についてより詳しく見ていきましょう。
行政書士の仕事内容
行政書士は、主に以下の3つの書類作成を業務としています。
- 官公署(各省庁、都道府県庁、市・区役所、町・村役場、警察署等)に提出する書類作成
- 同内容の相談、コンサルティング
- 官公署に提出する手続について代理すること
行政書士は、これら「書類作成・コンサルティング・手続代理」など、実に多彩な問題に対処することができ、あらゆる士業の中で最も業務範囲の広い国家資格の仕事だと言えます。
行政書士の仕事内容についてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参照ください。
行政書士資格は意味ないの?
行政書士試験合格に向けて、頑張っている受講生の方々が、以下の言葉を一度は耳にすると思います。
- 「行政書士資格に意味はない、、、」
- 「行政書士やめた方がいい、、、」
膨大な試験勉強の時間に対して、行政書士資格のメリットの方が少ないと考えているからだと思われますが、実際のところそんなにメリットは少ないのでしょうか?
行政書士のメリットについてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参照ください。
行政書士と他資格とのダブルライセンス
行政書士試験に合格後、独立・開業するにあたって、ほかの資格とのダブルライセンスは、あなたの強みにもなり、収益を支える大きな武器ともなります。
また、行政書士として独立・開業しなくてもダブルライセンスを生かして就職や転職に有利に進めることもできます。
ここでは行政書士と相性の良い資格「司法書士・弁護士・社会保険労務士・税理士・宅建士」をご紹介しますので、以下の記事を参照ください。
行政書士の求人状況は?
行政書士試験を合格すれば、行政書士事務所で勤務しながら仕事を覚えるという道の選択も可能ですし、行政書士会に登録をすれば独立という道も選択できます。
また、就職・転職活動の際は行政書士としての業務専門性や、800時間の勉強を地道に努力できる姿勢が高く評価されることもあるでしょう。
行政書士の求人については、以下の記事を参照ください。
行政書士の年収・給料は高い?
行政書士の平均年収はおよそ400〜500万円と言われていますが、基本、独立・開業し、自社努力で新規顧客獲得をしているため、収入差はピンキリでバラツキが非常に大きいのが特徴です。
特に新規で独立・開業したばかりの行政書士事務所の場合は、新規顧客の獲得から仕事が始まるため、年収は安定せず、200万円から300万円前後になってしまうこともあります。
営業下手で場合によっては、100万円を下回る場合もあります。
しかし、新規顧客獲得が安定し、経営が上昇軌道に乗り始めれば年収1000万円以上も夢ではありません。
行政書士の年収・給料について詳しく知りたい方は、以下の記事を参照ください。
行政書士になるには?
近年では、自分に合った働き方を選ぶ人が増え、行政書士資格を取得して独立・開業という選択する人も多くなっています。
男女問わず、脱サラしたり、育休・産休といった会社を休む期間を利用して資格取得を目指される方や、専業主婦の方で行政書士を目指される方も多いです。
行政書士なり方については、以下の記事を参照ください。
行政書士の試験の合格率・難易度
ここでは行政書士試験の試験科目や受験資格といった基本的な情報から、受験者数や試験の難易度までご紹介します。
行政書士試験の合格率は?
行政書士試験の合格率は10%前後で推移している、難関国家資格となっております。
ただ、司法書士や社会保険労務士、中小企業診断士などの国家資格よりは難易度が低く、士業系の資格の中では比較的取得しやすいという国家資格であります。
行政書士の難易度について詳しく知りたい方は、以下の記事を参照ください。
行政書士試験の難易度は?
行政書士試験では、合格のための基準点が定められており、法令科目で244点中122点以上、一般知識で56点中24点以上を得点し、かつ合計で180点以上の得点をする必要があります。
行政書士試験の合計点は300点満点ですので、合計で60%以上の得点率が必要であることが分かります。
行政書士試験の合格点について、詳しく知りたい方は、以下の記事を参照ください。
行政書士の模擬試験は?
大手予備校や通信講座では、行政書士試験の模擬試験を毎年実施していますので、受講できる方はぜひ模試にチャレンジするべきだと思います。
なぜなら、模試は本番試験の雰囲気に場慣れするための最高の手段としてだけでなく、今現在の実力を数値として示してくれるほか、模試の結果により弱点ポイントが明確になるため、非常に効率の良い復習になります。
行政書士試験の模擬試験について、詳しく知りたい方は、以下の記事を参照ください。
行政書士試験合格までの勉強時間と勉強法
行政書士試験は、きちんと継続した勉強ができるのであれば、学歴や年齢に寄らず誰でも合格を目指せる試験です。
ただ、誰でも簡単には合格できる試験でもなく、初学者は約800時間の勉強時間が必要と言われる資格ですので、的を得てない非効率な学習を続けていては何年も連続で不合格になってしまったり、合格までに長い年月をかけてしまうことになってしまいます。
ここでは、行政書士試験を合格するための勉強法の基本を確認しましょう。
行政書士試験不合格!受からない人の特徴
なるべく短期間で試験合格を掴み取るためには、まずは限られた時間内で最大の効果を発揮できるように、効率の良い勉強法を学ぶ必要があります。
そのため、効率の良い勉強するための最初のステップが「不合格になった人の習慣を知る」ことが重要なポイントです。
同じ過ちを繰り返さないために、効率的な勉強法について具体的に知りたい方は、以下の記事を参照ください。
行政書士試験の記述式問題対策は?
行政書士試験における記述式対策のポイントは、5肢択一式、多肢選択式同様に、
- 条項を箇条書きにした形式の文である「条文」
- 裁判所が特定の訴訟事件に対して下した判断である「判例」
- ある学者によって主張されている考え方である「学説」
これらの意味を理解し、キーワードを引き出せるようにすることです。
行政書士試験の記述式問題の対策について知りたい方は、以下の記事を参照ください。
行政書士試験の過去問活用法
行政書士試験の試験対策の一番ベースとなる基本は「過去問」です。
どの国家資格の試験も過去問からの出題が多く、「過去問をいかに対策できるか?」が合否に大きく関わってきますので、過去問演習を繰り返し学ぶことは、行政書士試験合格のためには必須です。
行政書士試験合格に向けて、過去問を使った対策法については、以下の記事を参照ください。
行政書士試験の一般知識問題対策
行政書士試験「一般知識問題」の対策として、頭を悩ませるのが「文章問題・時事問題」などですが、新聞やニュースを見るだけでは対策できるとは思えません。
しかし、他科目の学習スケジュールを考えると、短期間で学ぶ必要性があるため、効率の良い勉強法で進める必要があります。
「一般知識問題」の効率的な勉強法については、以下の記事を参照ください。
行政書士合格までに必要な勉強時間
初学者が行政書士試験合格のために必要な勉強時間は、およそ800時間が必要だと言われています。
単純計算すると、一日3時間の勉強で、約9ヶ月あれば合格できるということになります。
もちろんこの数字は目安でしかありませんが、最初はちんぷんかんぷんな初学者でも約9ヶ月間みっちり勉強すれば、行政書士資格を手に入れられるのです。
行政書士の勉強時間については、以下の記事を参照ください。
行政書士は独学で合格できる?
行政書士試験合格のために、通信講座や予備校に頼らず独学でチャレンジしようとお考えの方もいらっしゃるかと思います。
結論から言えば、合格率10%の行政書士試験を通信講座や予備校などに頼らず独学での合格は難しいですが、不可能ではありません。
ただし法律の勉強をしたことのない初学者が、自己流で勉強を進めると、間違いなく合格できませんので、独学で勉強をする際には注意が必要です。
行政書士の独学については、以下の記事を参照ください。
行政書士試験に最短合格するための勉強法
人生の時間は有限ですので、なるべく短期間で合格を掴み取るためには、まずは効率良く理解でき、記憶に残る勉強法で学習を進める必要があります。
効率良く、質の高い勉強を進めるには、過去の叡智に頼ることが一番ですので、過去問を上手く活用して進めましょう。
効率的な勉強法については、以下の記事を参照ください。
独学で学ぶ初学者のための行政書士参考書
法学初学者が、毎日の忙しい仕事の中で、行政書士試験を「独学」で合格を目指すとき一番悩むのが、学習の基礎となるテキストなどの参考書選びだと思います。
各社が行政書士試験合格に向け、独学者のために提供しているおすすめのテキストと、特徴などをご紹介しますので、独学で学習する際の参考にしてください。
参考書選びについては、以下の記事を参照ください。
行政書士のおすすめ通信講座
行政書士の試験合格に向け、限られた時間の中で、効率的に学習を進めることが可能な通信講座をご紹介します。
通信講座は、オンライン教材などが準備されているため、自宅やカフェなど場所を選ばない学習ができるため、通学の必要な予備校とは異なり、日々忙しい社会人の方でも利用しやすく、さらには費用も予備校と比べてリーズナブルです。
また、通信講座各社が公式サイトで発表している合格実績を確認すると、合格率が優れている通信講座も多く、受講費用が安くても非常に良質な講義を受講することが可能となっています。
行政書士の通信講座については、以下の記事を参照ください。
行政書士通信講座の講師はどんな感じ?
行政書士の通信講座は、多くの受講生を合格させるために、各社それぞれに優秀な講師が揃っています。
そして、各社それぞれの公式サイトには、看板講師のプロフィールや講義の様子なども紹介されているため、講師の話し方や講義の進め方など、講座購入前に事前確認でき安心です。
各社の講師については、以下の記事も参照にしてください。
行政書士通信講座のテキスト教材はどんな感じ?
行政書士の通信講座は、受講生を合格させるために、各社それぞれ毎年の試験結果を分析し、その結果から造り込んだテキスト教材を準備しています。
この造り込まれたテキスト教材は、受講生の合否に直結する重要な教材ですので、各社多額の費用と時間をかけて造り込んでいます。
各社のテキスト教材については、以下の記事を参照してください。
LECの行政書士講座の評判・口コミ
LECの行政書士通信講座は、資格受験指導37年の実績があり、2021年パーフェクトコース受講生の行政書士試験の合格率53.8%(全国平均の約5倍)を誇ります。
また、返金制度や解約制度なども準備されているため、安心して受講できる通信講座となっています。
フォーサイトの行政書士講座の詳細や口コミ評判については、以下の記事を参照ください。
アガルートの行政書士講座の評判・口コミ
アガルートの行政書士通信講座は、「340時間」もの圧倒的な講義動画で学べ、行政書士試験の初受験者の合格率37.9%(全国平均の約3.39倍)を誇る講座です。
また、返金制度や解約制度、合格特典なども準備されているため、安心して受講できる通信講座となっています。
アガルートの行政書士講座の詳細や口コミ評判については、以下の記事を参照ください。
スタディングの行政書士講座の評判・口コミ
スタディングの行政書士通信講座は、スマートフォンやPCを使ってスキマ時間を活用し、オンラインのみで全てが完結するので通勤時間などのスキマ時間で勉強できる講座です。
また、返金などはありませんが、合格特典など準備されているため、安心して受講できる通信講座となっています。
スタディングの行政書士講座の詳細や口コミ評判については、以下の記事を参照ください。
ユーキャンの行政書士講座の評判・口コミ
ユーキャンの行政書士通信講座は、2011年~2020年度の過去10年間で2,908名もの合格者を輩出している、知名度抜群の業界大手の講座です。
また、返金対応も準備されているため、安心して受講できる通信講座となっています。
ユーキャンの行政書士講座の詳細や口コミ評判については、以下の記事を参照ください。
伊藤塾の行政書士講座の評判・口コミ
伊藤塾の行政書士通信講座は、試験出題的中率が高いテキスト教材で学べる法律専門指導校の講座であり、「実務家として活躍したい!」と未来を考える初学者おすすめできる行政書士講座です。
また、返金対応も準備されているため、安心して受講できる通信講座となっています。
伊藤塾の行政書士講座の詳細や口コミ評判については、以下の記事を参照ください。
行政書士まとめ
行政書士は、役所(各省庁、都道府県庁、市・区役所、町・村役場、警察署等)に提出するあらゆる書類を本人に代わって作成し、それらを官公署に代理で提出する届出代行などを行える許認可業務のスペシャリストです。
とは言っても「行政書士になりたいんだけど、行政書士のことがよくわからない、、、」という方のために、今回は行政書士の基本情報を解説しました。
独立開業ができるだけでなく、他資格へのステップアップやダブルライセンスで仕事の幅も広がるため、毎年4〜5万人が受講する大人気の国家資格です。
ぜひ行政書士試験合格を目指してチャレンジしてみてはいかがでしょうか。