行政書士は、役所(各省庁、都道府県庁、市・区役所、町・村役場、警察署等)に提出するあらゆる書類を本人に代わって作成し、それらを官公署に代理で提出する届出代行などを行える許認可業務のスペシャリストです。
その行政書士の国家資格を取得するには、年に一度行われる合格率10%程度の難関試験に合格しなければなりません。
そこで、この記事では、皆さまが「過去問」を使って、効率的に行政書士試験の勉強を進められるように、
- 行政書士試験は過去問だけで合格できる?
- 過去問や答練を繰り返すのは効率的なのか?
- 行政書士試験「過去問」の使い方!おすすめの勉強法は?
- 行政書士過去問の一般知識「文章理解」対策法は?
- 行政書士試験の過去問が一覧できる無料サイトはある?
を解説していきます。
ぜひ、この記事を読んで効果的な過去問の活用方法について知識をつけ、行政書士試験合格に向かってモチベーションを高めてください。
この記事の目次
行政書士試験対策で過去問を活用して得点力UP
では、どのように過去問を活用すればいいのか?を解説していきます。
行政書士試験は過去問だけで合格できる?
行政書士試験は過去問だけでは合格するのが「難しい」といえます。
その理由として、行政書士試験に出題される問題を「①体系的に学べない」こと、「②解説が理解できない」こと、そして「③最新情報に対応していない」ことや「④記述対策がしにくい」ことが挙げられます。
・①体系的に学べない
まず、①体系的に学べないことが挙げられますが、過去問を解くだけでは行政書士試験の体系が理解できません。
なぜなら、確かに似たような問題が出てくれば回答できますが、そこから派生した問題や思考力を問われる問題が出た場合は体系的に理解できていない状態で解くことができません。
・②解説が理解できない
次に、②解説が理解できないことが挙げられますが、そもそも答えを見ても解説が全く理解できず、勉強が非効率になります。
解答を理解するための解説を調べなければならないので、解説を見るだけで勉強時間が浪費されてしまうでしょう。
・③最新情報に対応していない
また、③最新情報に対応していないことが挙げられますが、過去問は最新の問題に対応していません。
あくまで過去の問題なので、現在の新しい制度や傾向には対応していないという弱点があります。
この状態で過去の知識ばかりを詰め込んでも、本番で役に立たない、あるいは誤った理解をしていることによって問題を落としてしまうリスクがあるのです。
・④記述対策がしにくい
最後に、④記述対策がしにくいことが挙げられますが、過去問は記述式問題がほとんどありません。仮に過去10年間の問題を説いたとしてもたった30問程度で、演習としては非常に少ない量になります。
このように過去問だけでは様々な面から不利になることが多いので、単独の勉強はおすすめできません。
過去問や答練を繰り返すのは効率的なのか?
過去問や答練を繰り返すのは、決して効率的ではありません。
理由は、「様々な分野で不具合が生じる」からで、最も著明なのは法令関係の問題に対してであり、特に効率が悪いとされるのは①憲法、②行政法、③民法です。
・①憲法の過去問を繰り返す勉強法
まず、①憲法の過去問を繰り返す勉強法ですが、憲法の過去問は改正されていないので過去問のやり込みは有効に思われますが、判例知識を過去問で吸収できるメリットはあるものの、何が問われているのか把握できていないため問題を落とすかもしれません。
それを補うためにテキストなどで通読が求められます。
・②行政法の過去問を繰り返す勉強法
続いて、②行政法の過去問を繰り返す勉強法ですが、行政法は、比較的過去問が有効ですが、答えを覚えるだけでは正答率は上がらないでしょう。
なぜなら行政法は、問題ごとに短時間で回答することが求められるため、瞬時に問題を見て正答まで導き出す必要があるためです。
過去問や答練は、問題に対しての慣れは覚えられるものの、問題が出た際の瞬時の理解力が付きにくい可能性があります。
十分に行政法を理解したうえで問題を解くテクニックを身に着けた方が効率的かもしれません。
・③民法の過去問を繰り返す勉強法
最後に、③民法の過去問を繰り返す勉強法ですが、民法は、最もこの手の勉強法の効果が乏しい分野といえます。なぜなら民法は、過去問と類似の問題が本番ではほとんどでないからです。
また、答練を繰り返し行っても対応できないこともあるので民法そのものを理解することも重要といえます。
このように、テキストの通読によっても補う必要がある部分がとても多いのが、行政書士試験だと言えます。
行政書士試験「過去問」の使い方!おすすめの勉強法は?
行政書士試験の過去問は、使い方を少し工夫することで一気に合格力を高めることが可能です。
その使い方は、「①理解チェック」、「②時間配分感覚を養う」、「③出題傾向の把握」といった3つの方法です。
・おすすめの勉強法①「理解度チェック」
まず、おすすめの勉強法①「理解度チェック」に過去問を活用しましょう。
テキストを一読した後、自分でどの程度その分野に対して知識を覚えているか、理解しているかをチェックする意味で、過去問は重要な手段となり、復習にも活用できますので、復習の時間に過去問を利用するのもおすすめです。
・おすすめの勉強法②「時間配分感覚を養う」
続いて、おすすめの勉強法②「時間配分感覚を養う」ことに過去問を活用しましょう。
行政書士試験は、問題の難度もさることながら、とにかく問題の出題数が多いため早く回答することが求められるため、時間配分は重要です。
一方で過去問を利用することによって時間配分を体に覚え込ませることができます。
タイマーなどを使って、どの程度解答できるスピードが身についているかチェックするために過去問は重要なツールとなるでしょう。
本番は緊張などで勉強中よりも解答スピードが落ちることも少なくありませんので、そういった状態に陥らないためにも日ごろから過去問を利用して時間感覚を養うことをおすすめします。
・おすすめの勉強法③「出題傾向の把握」
最後のおすすめの勉強法③「出題傾向の把握」ことに過去問を活用しましょう。
過去に出題された行政書士試験の出題傾向を知るためのツールとして活用することで、過去の出題傾向を知ることができます。
問題の内容は変わっても問題の出題傾向まで大きく変わることは考えにくいため、過去問を解くことで過去の出題傾向を知ることができます。
行政書士過去問の一般知識「文章理解」対策法は?
行政書士試験の過去問に出てくる一般知識の文章理解の対策法は、どんな方でも迷うことが多少なりともあるでしょう。
・文章理解の対策法
その対策方法として有効なのが、「単語に対する理解力(語彙力)を高める」こと、そして「本文の構造を理解すること」です。
文章を理解するということは、文章を構成する言葉を知らないと理解はできませんし、言葉だけでなく、行間など直接的に表現されていない筆者の真意をくみ取ることが出来て、本当の意味での文章理解ができるようになります。
・具体的な対策の仕方①
試験まで時間がない場合にどうやって学ぶかは、教材やテキストなどで文章理解対策講座などの内容が書かれている教材を選ぶことで、どんな一般知識が出てきても、ある程度の解答はできるようになるでしょう。
過去問をやり込むよりは、専用のテキストを購入して勉強したり、現代文の学習参考書を購入して勉強したりといった対策が有効になります。
・具体的な対策の仕方②
また、意外な裏ワザとして大学入試用の現代文問題集を解くこともポイントで、応用問題編ではなくベーシックな基本を学べる参考書を購入し、学習することで理解力を養うことができます。
それでも困っている場合は、行政書士通信講座で配布されているテキストや講義を活用して、学習することが重要なポイントです。
「対策が立てにくい、、、」といって放置されがちな分野ですが、過去問だけでなく、専門のテキストなど別の教材を用意したり、専門の講義を受けて勉強するといった方法が有効な対策といえるでしょう。
行政書士試験の過去問が一覧できる無料サイトはある?
行政書士試験の過去問対策といえば、行政書士講座を開講している専用のテキスト教材を購入するしかないと思われがちですが、インターネットが発達した昨今では無料で過去問が閲覧できるサイトも存在しています。
・過去問の無料サイトの探し方
探し方としては簡単で、まず「行政書士試験の過去問 無料サイト」と検索してみると多数ヒットしますので、その中でも検索上位に来ているもの数サイトを調べてみて、読みやすい・分かりやすいなど、自分に合ったものを選びましょう。
「行政書士試験 過去問」で検索するとサイトがいくつもヒットします。
・過去問の無料サイトのチェックポイント
また、各社、行政書士の通信講座のサイトもありますので、体験版や無料版などで利用できるのかといった点もチェックが必要です。
その場合は、通信講座の受講契約をせずに、無料登録のみで、どこまで閲覧できるかを事前にチェックしておきましょう。
ただし、あくまで無料で情報公開されているサイトもありますが、解説に関しては善意で行われているものが少なくありませんので、十分理解できないことや、情報が最新版ではないといったこともあります。
・過去問サイトの活用法
そういった場合は、無料サイトと並行して、各社が提供している行政書士通信講座など、専門の過去問が収録された問題集を利用するのも有効な方法といえるでしょう。
ただ、無料サイトの問題は気軽に解答して勉強できるので、他の過去問と利用する前提で、サイトを利用することによって、より効率的で有効な行政書士試験の対策ができるようになるでしょう。