行政書士試験では、例年、文章で回答する記述式の問題が民法2問、行政法1問の計3問出題され、「思考力・判断力」などの能力が評価されます。
ちなみに、記述式問題は1問につき20点の配点で合計60点となっており、問題数は3問と少ないものの、合計300点満点中の60点と、全体に占める20%の得点という大きなウェイトを占めています。
今回は、みなさんが記述式問題を着実に得点できるように、
- 行政書士試験の記述式問題とは?
- 記述式問題の行政法・民法の特徴と対策
- 行政書士記述式問題の対策ポイントは過去問
- 行政書士試験で記述式を捨てる戦略はあり!?
- 行政書士試験の記述式が「解けない・書けない」時の対策は?
- 行政書士の記述式問題集を活用するためのポイント
などについて詳しく解説していきます。
この記事の目次
行政書士試験の記述式問題とは?得点するための勉強法を解説
記述式が苦手で避けてきたという方でも、この記事を読めば記述式問題への取り組み方が理解できます。
ぜひ、この記事を読んで行政書士試験合格に役立ててください。
行政書士試験の記述式問題とは?
・行政書士試験の記述式問題
行政書士試験の記述式問題は毎年民法から2問、行政法から1問出題されます。回答に関しては40字程度で答えるものであり、他の士業関連試験の論述問題とも少し異なります。
出題される内容は、「毎年条例に関する問題」と「事例問題」の2種類。配点は20点×3で60点であり、試験のうちかなりの割合を占めるものなので、記述式試験をクリアすることが行政書士試験合格のカギと言えるでしょう。
・行政書士試験の対策は?
行政書士試験は「記述式問題」と「択一式問題」で構成されており、択一式問題はわからなくても運が良ければ当たることがあります。それに対して記述式問題はそうもいかないので、しっかりと対策を行う必要があるでしょう。
しかも記述式問題は40字でまとめる形式です。論述式問題と違って文章が短い分、部分点も狙いにくいですが、配点が大きいので記述式問題は過去問演習に早いうちから取り組み、確実に点を取れるようにしておきたいところです。
・学習に取り組むタイミング
学習に取り組むタイミングに関しては、まずは択一問題を優先することをおすすめします。
択一問題が解けるレベルの基礎が無いと、記述式に取り組んでも全く解けないでしょう。そのため、択一問題で6割程度取れるようになったら記述式問題の対策に移行してください。
記述式問題の行政法・民法の特徴と対策
「行政法」と「民法」の記述式問題は、毎年ある程度出題傾向が決まっていますので、出題傾向さえしっかり理解しておけば十分に対策をしたうえで本番に臨めます。
・記述式問題の「行政法」の特徴と対策
まず行政法は、毎年問題文がとにかく長いので苦戦する人が多く、登場人物が多かったり、必要以上に複雑に条件が設定されていたりする故に、状況が把握しにくく、間違えてしまう人が続出します。
しかし内容さえ整理できれば択一問題と同じ程度の問題であるケースも多いです。そのため、行政法は図を描いて速く状況を整理することが正解への鍵と言えます。
・記述式問題の「民法」の特徴と対策
そして民法は、数ある中でも特に債権法から出題されやすい傾向にありますので、民法対策はまず債権法から始めるのが良いでしょう。
また、民法の記述式問題は事例問題もしくは条文問題のどちらかもしくは両方出題されますが、特に条文問題が多く出題されやすい傾向にあります。
条文問題で出題される問題に関しては、択一式問題で出題される条文が中心。そのため、重要な条文さえしっかり抑えておけば民法も問題なく解けます。
ただ、民法に関しては毎年1問が難問、もう1問が普通レベルの問題で構成されます。そのため、できるだけ早い段階で問題の難易度を見極め、解ける問題から解いていくことが大切です。
行政書士記述式問題の対策ポイントは過去問
行政書士試験の記述式問題は過去問演習が必須ですが、この記述式問題をクリアするには、とにかく手を動かして慣れることが大切で、そこで頼りになるのが「過去問」なのです。
・記述式問題の悩み
記述式問題の厄介なところは40字程度と制限があるところで、頭で考えていることを言語化して書こうとしても20字程度しか書けないことや、逆にまとめきれずに40字を遥かにオーバーしてしまうという理由で苦戦する人が多いです。
・思考を言語化させるには過去問が役にたつ
そこで過去問演習を徹底的に行うことで、考えていることを言語化し40字程度に要点をまとめられる能力が身につきます。
加えて、40字に到達できない場合は基本的には基礎実力不足ですが、早い時期から過去問演習に取り組めば、基礎が足りていないことにも早いうちに気付いて、再度基礎固めに取り組めます。
・過去の出題傾向も把握できる
それだけでなく、過去問を解くことである程度記述式問題の出題傾向も見えてきますので、過去問を解いていく中で、特に重点を置いて勉強すべき項目も把握できるようになります。
・問題からヒントやパターンを探す能力が養われる
過去問演習で身につく能力の中でも特に大きいのが、問題の中からヒントやパターンを探す能力です。
民法も行政法も基本的には、「どの法律に関わる問題なのか?」などヒントが隠れていますので、過去問演習を重ねることで、このヒントやパターンにすぐに気付けるようになれば、記述式問題を解くスピードも速くなるでしょう。
行政書士試験で記述式を捨てる戦略はあり!?
行政書士試験で記述式問題を捨てるのは「NG」です。
・なぜ行政書士試験で記述式問題は捨てられないのか?
記述式問題は配点が1問20点で民法から2問、行政法から1問の合計3問60点。行政書士試験は300点満点で法令等科目と一般業務等科目の2つに分かれており、法令等科目が240点弱、一般業務等科目が60点弱となっています。
そして法令等科目で50%(120点)以上かつ合計180点以上を目指さなければいけません。
この条件で記述式問題を捨てると、法令等科目だけでも25%、全体の20%を落とすことになってしまいます。この点を考えただけでも記述式問題はしっかり対策しないといけないとわかるでしょう。
・記述式問題を克服すると一気に合格に近づく
また、記述式問題に力を入れるのは行政書士試験で合格に向けて大きなメリットになります。
記述式試験は毎年民法から2問、行政法から1問と決まっているので対策もしやすく、択一式問題は間違えるとその段階で点を落とすことになりますが、記述式問題は部分点が与えられます。
しかも記述式問題に関しては、択一式と共通している問題が出題されるケースも多いです。そのため、結論にたどり着けなくてもとりあえず書いておけば部分点で0点にはならない可能性もあります。
このように記述式問題は少しでも対策をしておくのと、まったく対策をしないのとでは大きく差が開くので、しっかり対策をして臨みましょう。
行政書士試験の記述式が「解けない・書けない」時の対策は?
元々、「記述式問題に苦手意識を持っている、、、」「本番を意識すると焦って全然解けなくなってしまう、、、」という人もいるでしょう。
・記述式が「解けない・書けない」時の対策
記述式問題は、普段からある程度解き方をパターン化したうえで、過去問などの演習に取り組んで慣れておけば、本番でも問題なくスラスラ解けます。
対応方法の一つとして、もし記述式問題が解けないときは、まず登場人物とその関係性を絵に描いて、図面に書き出すようにしましょう。
次に、話のストーリーの流れを簡単に箇条書きで並べていきます。
これができたらあとはこれまでに洗い出した、登場人物の相関図と箇条書きのストーリー情報を文章にまとめていくだけです。
・記述式対策の重要な2つのポイント
行政書士試験に限らず、法律に関連する問題を解く際に大切なのは「序論」と「結論」の2つです。
まず序論に関しては「○○は××に対して〜」と言うように、登場人物の関係性を記述します。
次に結論は、箇条書きしたストーリー文章をまとめるだけ。最後の結論につながるように根拠を並べていけば、しっかりまとまった文章に仕上がります。
・下書き後にやるべき「推敲」
記述式問題を解くにあたって普段から意識しておきたいのが、下書きをした後にきちんと推敲することです。
直接得点には関係ないかもしれませんが、法律関係の業務において何度も書いては消してを繰り返しているのは印象が悪く、時間の無駄です。
そのため、行政書士試験でも消す作業は最小限に、記述式問題はまず下書きをして、推敲した上で、40字程度にまとめた後に清書に移りましょう。
行政書士試験の記述式問題集を活用するためのポイント
行政書士試験の記述式問題の対策に関しては、過去問だけでなく、各スクールが通信講座などで発行している問題集も活用するのがおすすめです。
・行政書士試験の記述式問題集とは?
行政書士試験では、例年、文章で回答する記述式の問題が民法2問、行政法1問の計3問出題され、「思考力・判断力」などの能力が評価されます。
ちなみに、記述式問題は1問につき20点の配点で合計60点となっており、問題数は3問と少ないものの、合計300点満点中の60点と、全体に占める20%の得点という大きなウェイトを占めています。
この記述式問題をクリアするための対策問題集が、「記述式問題集」と言われるものです。
・通信講座の問題集を活用する
行政書士関連の対策講座・通信教育を取り扱っているスクールは、これまで培った過去の行政書士試験の合格ノウハウを持っています。
そのため、記述式問題の対策問題集もこれまでに得た情報をもとにプロが予測した良質な問題が集まっています。
長年の経験から出題傾向を理解している分、特に大手のスクールが発行している問題集は実際に似たような問題が出題されることがよくあるので、過去問だけでなく予想問題集も積極的に活用しましょう。
・記述法を確実に点を取れる科目にする
通信講座が提供している問題集を利用するメリットはこれだけではありません。
記述式問題は完璧な答えが存在しない分、なかなか自分で答え合わせがしにくい問題です。
スクールや通信講座が発行している問題集なら、細かく解説が記載されていますので、どんな点を押さえていれば点を取れるのかが理解でき、確実に点を取る記述法がわかります。
これまでの長い指導実績と合格実績がある通信講座の教材なら安心できます。
・思考を言語化するテクニックを学ぶ
それだけでなく行政書士試験の記述問題は、「40字」にまとめる作業が大変です。
通信講座が提供している問題集の場合、ただ問題の答えが記載されているだけでなく、頭に思い描いていることを言語化したり、それらを40字にきれいにまとめるテクニックなど国語の文章表現としての部分でも解説をしてくれるものが多いです。
そのため、回答はできても40字にまとめる作業に困っている人であれば、何かしらのヒントを見つけられるかもしれません。