行政書士になりたい!と思っている方にとっては必ず合格しなければならない行政書士試験。
行政書士とは、役所(各省庁、都道府県庁、市・区役所、町・村役場、警察署等)に提出するあらゆる書類を本人に代わって作成し、それらを官公署に代理で提出する届出代行などを行える許認可業務のスペシャリストです。
また、資格を持っていると、
- 独立・開業できる
- 法律の知識が身につく
- 就職・転職に有利
- 他の法律系の資格の足がかりになる
などのメリットも生じます。ぜひ取得しておきたい資格と言えるでしょう。
しかし、行政書士は簡単に取得できる資格というわけではないため、それなりの準備が必要です。事前に受験のポイントをおさえておくことが合格のカギになります。
そこで今回は、みなさんが資格取得に向けて準備ができるよう、
- 行政書士試験、準備期間3ヶ月で合格できるのか?
- 行政書士試験短期合格に向けた3つのポイント
- 行政書士試験合格のための直前期1ヶ月の過ごし方
- 行政書士試験、初学者は何から勉強を始めればいい?
- 行政書士試験はどんな問題が何問出る?出題問題の形式を紹介
について詳しく解説していきます。この記事を読めば行政書士の短期合格にグッと近づきます。ぜひ、最後まで読んでご自身のスキルアップやキャリア形成に役立ててください。
この記事の目次
行政書士試験の短期合格!準備期間3ヶ月で合格できるのか?
行政書士試験をわずかの準備期間で合格できるのかを解説しました。
行政書士試験は、準備期間わずか3ヶ月で合格できるのか?
結論を言えば、3ヶ月で行政書士試験に合格するのは、不可能ではありませんが、かなりの困難を伴うことは事実です。
その理由として、①勉強時間が足りない、②試験対策が賭博的になってしまう、そして③バックグラウンドによって左右されるの3つが挙げられます。
困難な理由①:勉強時間が足りない
まず、行政書士試験に合格するための勉強時間が圧倒的に足りません。
行政書士試験で合格するには約800〜900時間程度の勉強時間が必要と言われていますが、これをたった3ヶ月でクリアするとなると、週末や平日関係なしに平均9時間近い勉強時間が求められます。
試験勉強だけに専念できる状況なら900時間の学習時間の確保は可能ですが、仕事や学校に通いながらクリアするのは現実的に困難といえます。
困難な理由②:試験対策が賭博的になってしまう
次に試験対策が賭博的になってしまうことです。先ほども触れた通り、勉強時間がとにかく足りませんので、最低限の部分のみの学習と知識の足切りが求められます。
最低限の部分とは、基礎問題を確実に正答できる力のことですが、この基礎部分を一歩でも踏み出せば、こたえられなくなるリスクがあります。
また、限られた時間の中で合格を目指すため、出題問題を賭博的にヤマを張り勉強すべきポイントを集中させます。
勉強すべきポイントをフォーカスすることで、予想外の問題が出題された場合は、ヤマが外れてしまい確実に不合格となるでしょう。
困難な理由③:バックグラウンドによって左右される
最後が受験者のバックグラウンドによって左右されます。例えば、高校生が受験するのと、大学で法律を学んでいる学生が受験するのとでは、持っている基礎知識の質と量が全く異なります。
大学で法律を学んでいるのであれば、既知の知識を活用して理解力を深めたり、あるいは本番で勉強していなかった問題が出題されても既知の知識を活用して未知に対しても正答できる可能性があります。
しかし、高校生の場合は全く基礎の部分から学ぶ必要があり、知識を吸収するのに膨大な時間が必要なため、結局時間が足りません。
このように3ヶ月で行政書士試験に合格するのは、博打的な運や、それまでのバックグラウンドが大きく左右され、合格できる可能性はあるものの非常に困難といえます。
行政書士試験短期合格に向けた3つのポイント
リスクはあるものの行政書士試験で短期合格を目指したい場合、ポイントとして①勉強時間の確保、②メインの科目に注力、③知識の取捨選択の3つが挙げられます。
ポイント①:勉強時間の確保
まず、行政書士試験短期合格に向け、勉強時間を確保することが重要です。
とにかく時間という時間を行政書士試験のために確保することが重要で、一日の隙間時間をうまく活用することで、足りない勉強時間を少しでも行政書士試験対策に充てることができれば、合格に近づけられるでしょう。
理想の勉強時間は800〜900時間と言われますが、現実的には難しいため、最低でも500時間程度は確保できれば合格の道が見えてくるかもしれません来ます。
短期合格を目指す場合の目安としては平日3時間以上、土日や祝日は10時間以上充てられると良いでしょう。
ポイント②:「民法・行政法」のメイン科目にフォーカス
次にメインの科目である「民法・行政法」にフォーカスすることで、短期合格を目指すことも可能です。
実は行政書士試験の得点配分の約60%が、この2科目に集中していますので、「民法・行政法」を満点に近い成績でクリアすれば、合格ラインの正答率60%(300点満点中180点以上)に達成し、合格も可能となります。
そのため、とにかくこの2科目だけでも他の科目以上に勉強時間を使って学習することが重要となります。
ポイント③:知識の取捨選択
最後に分からない問題は「知識の取捨選択」で、捨てるまでもいかなくても、最後に後回ししていきましょう。
分からない問題とは、全く理解できない問題のことで、少しでも理解できる問題があれば、それを突破口として学びを広げていけば良いですが、全く分からない未知の問題をゼロから理解するまで勉強するには時間が足りません。
そういった理解できてないような苦手な問題は、取捨選択して切り捨てましょう。
ただ、これらの対策を行ったとしても、短期合格を目指す上で、かなり負担がかかるのは間違いありません。
行政書士試験合格のための直前期1ヶ月の過ごし方
行政書士試験合格のために直剪1ヶ月間ですべきこととして、①暗記科目に力を入れる、②模試を受ける、③何度も間違えるところをチェックするといった3点が挙げられます。
過ごし方①:暗記科目に力を入れる
まず、これは暗記した方が良いと思えるところはどんどん勉強時間を充て、「行政手続法・行政不服審査法・行政事件訴訟法」など、正確な条文知識が求められる問題は、何度も繰り返し学び、確実な暗記を進めましょう。
なぜなら、直前に暗記した短期記憶は、記憶に残りやすいため、本番でも力を発揮してくれるからです。
また、これらを暗記しておけば、多少応用的な問題が出てもある程度対応できるようになるというメリットもあります。
民法の「家族法」も暗記が物を言う分野なので、直前で漏れのないように暗記しておきましょう。
過ごし方②:模擬試験を受ける
模擬試験を受講することで、事前の試験練習を進めておくのもおすすめです。
様々な団体や通信講座が主催する模試を受けて、試験問題の間違っているところを確認し、現状の実力把握に努めましょう。
そうすることで弱点の傾向が分かるようになり、「次に何を勉強すればいいか?」が明確となることで、最短距離で合格への道を歩むことが可能となります。
過ごし方③:何度も間違えるところをチェックする
最後は何度も間違えるところを一つ一つ潰すことで、理解している部分を逃さず確実に点数を重ねていく対策です。
間違えたところをあらかじめチェックをつけると、何度もチェックが入るところを把握できてきますので、間違っているポイントを重ね重ね、集中的に学ぶことで理解が進み、ポカミス対策として合格力を高められるでしょう。
行政書士試験、初学者は何から勉強を始めればいい?
行政書士試験の初学者が勉強すべきことは「基礎法学」であり、行政書士の基礎であること、そこからほとんどの問題が枝分れしていくためです。
基礎法学から始める理由①:行政書士の基本だから
まず基礎法学は、法律の規定を読み進めていくために必要な知識であり、行政書士の基本となりますので、基礎法学が理解できていないと、試験合格だけでなく、実際の実務にも大きな支障をきたすでしょう。
そういった意味で行政書士試験だけでなく行政書士の業務を考えた場合、全ての根幹となる基礎法学は最初の内からしっかり学んでおくことが重要といえます。
基礎法学から始める理由②:全ての科目に枝分れしていく
次に基礎法学は、行政書士試験のほとんど全ての科目に枝分れしていくという意味もあります。
基礎法学を学ぶことで、民法や行政法などの法律が理解できるようになるだけでなく、応用的な考えを身につける材料にもなるからです。
言い換えれば基礎法学が分からないと、他の科目は全く分からないといっても良いでしょう。
この基礎法学を学んだ後、そこから発展した憲法や民法、行政法の順番で勉強を進めていくと、憲法を基礎に民法、民法の考えを行政法といったように理解力を深めた状態で次の科目へステップアップできるようになります。
いずれにしても行政書士は法律の専門家なので、基礎法学をきちんと初学者のうちに勉強することをおすすめします。
行政書士試験はどんな問題が何問出る?出題問題の形式・配点を紹介
行政書士試験の問題内容と出題問題の形式を紹介していきましょう。
・出題される問題の内容
まず、問題内容は、法律5科目と一般知識です。法律といっても様々なものがあり、ざっと紹介すると「基礎法学、憲法、民法、行政法、商法」の5つです。
- 基礎法学:法律の規定を読み進めていくために必要な知識
- 憲法:国家の統治権や統治作用に関する根本的な原則を定める基礎法
- 民法:私たち人間の日常の生活関係において一般的に適用される法律
- 行政法:行政を行う組織、行政活動およびそれらに関する紛争処理ないし行政救済を内容とする法
- 商法:商人の商業行為などの商事に関する基本的な法律
これらは行政書士の実務に必要な知識であり、法律の仕組みや事例、どのような考えの法律なのか?といったことを網羅しておく必要があります。
・出題問題の配点
法律だけで300点満点中244点という非常に大きなウェイトを占めます。
さらに民法と行政法だけで188点(62%)なので、短期合格を目指す場合は最低限この2科目をきちんと押さえておくことが重要といえるでしょう。
一般知識は56点の配点で、こちらはニュースなどで話題になる制度や経済ニュースなどに関連した問題が出題されます。
過去問などを見れば、どんなニュースのジャンルが問題になるかイメージをつけやすいでしょう。
・問題の出題形式
次に出題形式は択一式、多肢選択式、そして記述式の3タイプで出題されます。
択一式や多肢選択式は答えが書かれている中から正しいものを選んでいくタイプで、総得点のうち240点をしめますので、極論をいえば、これらの問題を押さえるだけで合格するでしょう。
記述式は文字通り論述して回答するタイプで、こちらは60点です。このような構成で例年行政書士試験が実施されています。