これから簿記を学ぼうと思っている人にとって、「簿記1級、2級、3級」の違いって、よく分からない部分ありませんか?
「転職や就職にも有利となると聞くけど、どの級から有利にあるのか分からない、、、」という声もありましたので、今回は、「簿記1級、2級、3級の難易度や試験内容の違い」などについてご説明しますので、ぜひ、チェックしてみてください。
この記事の目次
「日商簿記1級、2級、3級」の難易度や簿記試験内容の違い
この記事では、簿記の中でも1級、2級、3級というレベルに「どのような違いがあるのか?」そして「どの級から就職や転職に有利になれるのか?」について、ご紹介していきます。
簿記1級、2級、3級の難易度・試験内容の違いとは?
簿記には1級、2級、3級の資格がありますが、これらの難易度と試験内容の違いについて解説しましょう。
・試験難易度の違い
まず難易度は、「簿記1級」が会計関連の士業資格である公認会計士と税理士に準ずるレベルです。
そのことから、会計関連のスペシャリストに近い存在といえる、つまり難易度は士業資格に相当する難易度の高さです。
「簿記2級」は一般的な簿記に加えて工業簿記などの特殊な簿記も学びますが、これはかなり実践的な難易度で時間をとって学ぶ必要があります。
「簿記3級」は一般的な簿記になり、事務のお仕事をされているレベルであれば解答できる難易度です。
・試験内容の違い
試験内容の違いとしては、3級が商業簿記のみ、2級が工業簿記、1級は商業簿記、工業簿記、さらに会計学、原価計算が含まれますので、等級が上がるごとに試験での出題範囲も広がります。
このようになっているのが簿記の等級ごとの難易度や試験内容の違いですので、簿記にチャレンジするなら、最初に3級からスタートし、2級、1級とチャレンジしていくのが基本となるでしょう。
日商簿記1級のレベルと試験内容とは?
簿記1級のレベルと試験内容について改めて解説していきましょう。
・簿記1級の試験難易度
まず試験のレベルは、税理士試験の合格圏に匹敵するだけの幅広い会計の知識と簿記の能力が求められます。
簿記の実務に関してはスペシャリストといえるレベルがこの簿記1級で、合格率は毎回5~10%で、近年は10%を超えたことがありません。
・簿記1級の試験内容
試験内容は、3時間の中で先ほど触れた商業簿記と工業簿記、会計学原価計算といった知識が問われます。
単に計算をしたり、知識を問われるだけでなく会計に関する法律的な解釈を問われることもあり、単に帳簿を作成する能力を測るものではなく、帳簿作成を超えた知識や能力を測る試験といえるでしょう。
・簿記1級の試験日程
試験日程は、毎年6月の第2日曜日と11月の第3日曜日に行われ、年に2回受験するチャンスがあります。
1回では合格が難しい試験のため、最初に様子を見るために受験し、2回目で合格を目指すといった方もいます。
詳しくは『「簿記1級」資格試験の合格率は?試験の難易度や独学可能か解説』を参照ください。
日商簿記2級のレベルと試験内容とは?
・簿記2級の試験難易度
簿記2級も、かなり実践的な内容を問われる試験内容で、一般的な簿記以外にも専門的な知識が必要な工業簿記の問題も出題されるのが特徴です。
財務諸表の作成から始まって、記入された数字がどんな意味を持っているかまでを問われる内容であり、帳簿の作成や活用法のスキルが理解できないと合格することはできません。
気になる合格率は10~20%ですが、徐々に難化している傾向があり、近年は10%を切る回も出てきました。
・簿記2級の試験内容
試験内容は90分の試験で、商業簿記と工業簿記の2科目で解答する形式です。
簿記1級の半分の試験時間になりますので、1級と2級を両方受ける方もいます。
・簿記2級の試験難日程
毎年6月の第2日曜日と11月の第3日曜日、そして同年度の2月第4日曜日に実施されます。
ちなみにネット試験(CBT試験)は、商工会議所が認定した全国100カ所の「テストセンター」で随時行われています。
詳しくは『「簿記2級」の合格率は?試験の難易度や独学可能か解説』を参照ください。
日商簿記3級のレベルと試験内容とは?
・簿記3級の試験難易度
簿記3級のレベルとしては、比較的優しいもので帳簿に関する基本的な問題が出題されます。
難易度の面では先ほど紹介した1級、2級に比べると優しいものの、30~60%と不合格者も一定数います。
・簿記3級の試験内容
気になる内容としては帳簿の基本的な知識が問われる問題で、青色申告書類の作成が一人でできるを問われる印象です。
60分なので2級と同じ試験時間ですが、普段帳簿作成に慣れている方であれば短時間で解答できるレベルになります。
・簿記3級の試験日程
毎年6月の第2日曜日と11月の第3日曜日、そして同年度の2月第4日曜日に実施されていますが、こちらもネットでの受験ができます。
商工会議所が認定した全国100カ所の「テストセンター」で随時行われているため、取得したいと思ったらすぐにでも受験できるのが特徴です。
基本的な帳簿の付け方の知識を確認したい方や経理の仕事に就いた方が実力をつけるために受験するのがおすすめです。
詳しくは『「簿記3級」資格試験の合格率は?試験の難易度や独学可能か解説』を参照ください。
簿記を就職や転職に活かせるのは何級から?
・簿記を転職や就職に活かせるのは?
資格を就職や転職に活かせるのは「簿記2級」からになります。
その理由として、試験内容が実践的であること、工業簿記も扱えること、そして求人が2級からになっていることです。
簿記2級は、確定申告といった一般的な方が利用する帳簿技術だけでなく、企業が通常の業務で作成している様々な経理書類が作成できるレベルになります。
そのため、企業でも即戦力の証明として意識しており、転職でも役立てることができる資格です。
また、工業簿記の知識もあるので、工業簿記が必要な製造業でも重宝される資格として就職でも優遇されます。
・簿記3級は有利にならない?
3級では工業簿記が分からないので、こういった企業からは重視されません。
企業も基本的に求人が簿記2級以上の方を募集していて、求人情報を見てみると、多くの求人募集が簿記2級からになっています。
簿記3級までの資格では就職や転職に活かせないかもしれませんが、学生の頃に簿記3級を取得し、就職活動をした場合は、若干有利になる可能性はあります。