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簿記3級の難易度は?
日商簿記3級は、「基本的な商業簿記を修得し、小規模企業における企業活動や会計実務を踏まえ、経理関連書類の適切な処理を行うために求められるレベル」
引用:商工会議所
そんな簿記3級の過去10年間の日商簿記検定試験3級の合格率の推移は以下の通りです。
簿記3級過去10年の合格率の推移
簿記3級は、比較的難易度が高くはない資格として知られていますが、難易度が近い資格としては「速記技能検定3級」や「ITパスポート試験」、「ビジネス実務法務検定3級」などがあります。
簿記3級の上位資格である簿記2級の合格率は15%~30%です。2級と比較すると3級のほうが明らかに合格しやすく難易度が低いです。しかし、いきなり2級の勉強をするのはおすすめできません。最初はターゲットを3級に絞って、確実に合格できるように学習計画を組みましょう。
独学での合格の可能性は十分にあります。比較的低い難易度なため、大手の資格講座を受けなくても合格する人は珍しくありません。学習範囲がそれほど広くなく、問題の難易度も抑えられているので、とくに学習方法を工夫しなくても試験範囲を総当たりで勉強すれば合格に必要な基準に到達できるでしょう。
初めて資格試験に挑戦する人も、資格試験の流れも学びながら取り組むと貴重な経験を得られます。試験は年に3回行われるため、落ちてしまってもすぐに再挑戦できます。
簿記3級の試験内容は?
簿記3級は経理や会計に欠かせない簿記に関する基礎知識が問われます。実務で重要視される専門性の高い知識が問題になることはほとんどありません。その証拠に試験範囲をしっかり学んでおけば高校生でも解答できる内容で、最年少合格は11歳の小学生です。
試験は大きく分けて「商業簿記・会計学・商業簿記標準・許容勘定科目表」
試験は大きく分けて、商業簿記から「仕訳問題・帳簿記入・勘定記入・決算整理」から構成されており、配点は仕訳問題が45点、帳簿記入と勘定記入が合わせて25点、決算整理が35点となっています。
項目 | 仕訳問題 | 帳簿記入 | 勘定記入 | 決算整理 |
---|---|---|---|---|
配点 | 45点 | 25点 | 25点 | 35点 |
仕訳問題は特定の仕訳を正確に記入できるかが試されます。簿記では多種多様な仕訳を行う必要があり、簿記3級では、そのなかでも基本的な仕訳のやり方が問題になります。
帳簿記入と勘定記入では帳簿や勘定の記入に関する知識が問われます。具体的な帳簿の書き方を知っていないと得点できません。出題方式は穴埋めや記号選択が主なものになります。
決算整理では損益計算書や貸借対照表など、複数の決算整理に関する資料から決算処理を行います。簿記知識を総動員する必要がある難問です。
決算整理で行われる代表的な仕訳のやり方を学習して、必要な情報がどの資料に記載されているのか即座に判断して計算できないと得点は難しいです。
現金過不足、商品棚卸、当座借越の振替といった頻出の仕訳は、やり方を暗記しておく必要があるでしょう。
簿記3級合格のために必要な勉強時間は?
簿記3級に合格するために必要とされる勉強時間は個人差がありますが、およそ50時間~100時間と言われています。50時間もの幅があるのは勉強の仕方により大きく学習効率が変わるためです。
独学の場合は誰もサポートしてくれる人がいないため、どうしても学習効率が落ちます。初めて試験を受ける人なら合計の勉強時間は100時間を超えることもあるでしょう。独学でも評価の高い教材を揃えたり、知り合いに詳しい人がいれば学習効率が向上して、短い勉強時間で合格できることもあります。
資格講座を受講する場合は学習効率が飛躍的に改善されるので、独学よりも時間をかけずに必要な知識を習得できるでしょう。講師との相性が良ければ50時間を切ることも不可能ではありません。
勉強のペースは1日1時間~2時間ほどが一般的で、このペースで学習するとテスト範囲をカバーするまでに2ヶ月~4ヵ月ほど必要です。
社会人の場合、1日1時間の学習時間を確保するのが難しい場合もあります。そんな時は電車で移動中も学習できるようにアプリに対応した講座を利用しましょう。場所を選ばず講座動画を見ながら勉強できるので学習のペースが上がり、より短い日数で学習を終わらせられます。
簿記3級合格の勉強方法は?
初めて簿記を勉強する人が簿記3級に合格するためには学習する順番が大切です。
多くの人は普段の生活で複式簿記を書いたり、仕訳をすることがないため、いきなり決算書の書き方を学んでも内容を把握できません。学習効率が下がり、試験日までに必要な知識が学べなくなるでしょう。
スムーズに簿記知識を身につけるには、必須知識の勘定科目と仕訳方法から学ぶのがおすすめです。簿記3級で取り扱う複式簿記では会計特有の感覚が求められるので、売上や売掛金といった勘定科目の概念的なところをしっかり学ぶ必要があります。
各科目が(資産、純資産、負債、費用、収益)のどれに該当するのか分かれば、誤った仕訳を未然に防げます。
科目の種類が分かるようになるには、ひたすら仕訳について学ぶしかありません。理論や考え方と実際の仕訳を同時に勉強すれば、自然と問題を解く力が身につきます。
ポイントは理解したところで止めないことです。複式簿記の原理原則を把握したことを確認するために問題集を数多く解いてください。理論の部分を理解したなら正答率が改善されます。
勘定科目と仕訳方法が分かれば、決算書関連の問題はそれほど苦労しません。今まで学んできたことを組み合わせるだけなので、すぐに得点のコツをつかめます。
簿記3級は独学でも合格できる?
簿記3級は会計の基礎知識しか取り扱わないため、独学でも合格できる可能性があります。
難所は複式簿記特有の概念を理解するところです。簿記のどこに何を書けばいいのかは、資産、純資産、負債、費用、収益の概念と、それぞれの関係を把握する必要がありますが、実際の勘定科目に関する感覚が無いと分かりにくいです。この難所を突破できれば、あとは代表的な仕訳のやり方を学びながら勘定科目の知識を積み上げていくだけなので独学でも得点につながる勉強ができるでしょう。
幸い、簿記特有の概念は動画配信サイトで詳しく解説されているため、そういったレクチャー動画を参考にすると比較的簡単に必要な感覚を身につけられます。数多くのレクチャー動画が公開されているので、自分と相性のいい動画を見つけられるでしょう。合格までの具体的な学習プランを解説している動画もあるので、学習効率アップにつながる場合もあります。
自分だけでは簿記の概念を理解できそうもない場合は、詳しい人に聞くのが一番です。ネットの無料相談掲示板などで分からない箇所を聞いたり、有料の相談サービスなどを活用しましょう。安いところでは1,000円で簿記3級の質問を受付けています。
上手に最新のネットサービスを活用すれば、独学でも大きな苦労をすることなく簿記3級に合格できるでしょう。
まとめ
初学者が簿記3級試験に合格するためには、以下のことに注意しましょう。
基礎知識の習得
簿記3級試験は、経理や会計の基礎知識を問うものですので、簿記の基礎知識や概念をしっかりと理解し、仕訳や伝票の作成方法、会計帳簿の作成方法などを習得することが重要です。
問題演習
簿記3級試験は、実践的な問題が出題されるため、問題演習を通して、簿記の実務的な知識とスキル記を身につけることが必要です。
模擬試験の受験
模擬試験を受験することで、実際の試験と同様の環境で問題に取り組むことができ、試験に慣れることができます。
受験当日の準備
受験前日までには必要なものを準備し、十分な睡眠をとることが大切です。また、試験会場までのアクセスや試験時間などにも十分な注意を払い準備を進めておきましょう。