「商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算」を高度なレベルで習得し、経営管理や経営分析ができるスペシャリストとして人気の「簿記1級」講座。合格すると税理士試験の受験資格が得られるという、税理士を目指す方にとっても強みとなる資格です。
しかし、、、
- 「まとまった時間を勉強になかなか使えない。勉強不足だ、、、」
- 「職場では一発合格した人もいる。受かって当然という空気がプレッシャー、、、」
このような不安を抱えている方が講座を受けようと思った時、心配なのは「私でもできるのか?」ということではないでしょうか?
この記事では「簿記1級」の合格率や試験難易度や独学可能か?ついてご紹介します。
この記事の目次
日商簿記1級試験の合格率ってどのくらい?
簿記1級試験の合格率は、実施回によって異なりますが「10%前後」の水準で推移しています。
ちなみに今、紹介した簿記は、最も一般的な簿記資格である日本商工会議所が主宰する日商簿記1級です。
実は、簿記試験には全国経理教育協会が主催する「全経簿記1級」、全国商業高等学校協会が主宰する「全商簿記1級」があります。
その中でも、この日商簿記1級は「極めて高度な商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算を修得し、会計基準や会社法、財務諸表等規則などの企業会計に関する法規を踏まえて、経営管理や経営分析をおこなうために求められるレベル」とされ、最も難しい資格です。
そのため冒頭のような非常に低い合格率になっています。
このように簿記の本質を知ることを求められる日商簿記1級は非常に取得が難しい資格といえるでしょう。
簿記1級試験の合格率推移(過去10年)
簿記1級試験は年2回、主に毎年6月と11月に行われています。
ここでは、2020年の6月に中止になった155回の試験を除いた最新の合格率の推移をまとめていきましょう。
ちなみに回数が飛んでいるのは、簿記1級試験を実施しなかった回です。

このように合格率が低い年度では「8%」を切っていることもあります。
簿記1級試験の難易度は?
簿記1級試験の難易度は高いといえます。
その理由として、①理論づけの解答も求められる、②試験範囲が広い、③暗記だけでは通じない、といった点が挙げられます。
通常の簿記試験は、質問に対して解答をして行くだけという一般的な資格試験と同じ内容です。
一方、簿記1級試験は、解答が合っていたとしても、その理由について理論づけなければいけません。
極端な例でいえば1+1=2と解答した後に、なぜ2になるのかといった論理的に説明をしなければいけないため、この「理論づけの解答も求められる」ということが合格率を大幅に下げている理由の1つです。
次は、「試験範囲が広い」ということで、とにかく学習しなければいけない範囲が広いという特徴があります。
最後は「暗記だけでは通じない」という点で、持っている知識を利用して考えることが求められるのです。
このような理由から合格が難しい資格といわれています。
簿記1級試験の日程・内容は?
それでは次に、簿記1級試験の日程や詳細を見てみましょう。
3-1:簿記1級試験は年に何回?
先ほども触れましたが簿記1級試験は年に2回あります。
6月と11月に実施されるこの試験は、近年中止になって2月に実施されるといった一部の例外があったものの、例年この日程で実施されています。
試験自体の日程は1日のスケジュールです。
多くの資格試験は、上位になるほど2日ないし3日の日程で行われるといったことが多いのですが、簿記1級試験はあくまで簿記に関する試験のみの出題になるため1日で完結します。
また、口述試験なども実施しないので、記述試験が終わればすぐに試験が終了します。
このように毎年チャンスが2度あり、試験も一日で終わるので比較的受験しやすい資格といえるでしょう。
ただし、難易度に関しては、非常に難しい試験であることに変わりはありません。
3-2:簿記1級試験の受験資格は?誰でも受験できる?
簿記1級試験の受験資格はありません。
例えば、小学生でも高校生でも、当然現役の事務職の方でも受験できます。
簿記1級試験という名称から2級の合格者でないと挑戦できないような印象を与えますが、そう言ったことなく誰もが受験できる門戸の広い試験になっています。
資格試験というと特定の学科を卒業した人や下位の資格取得者といった条件を設定しているケースが多くあるのが実情です。
しかし、簿記1級試験はそう言ったことが一切ないのが特徴といえるでしょう。
だた、再三になりますが誰もが受験できるから簡単というわけではなく、合格率が非常に低い試験であるという認識をしておいたほうが良いと思われます。
そう言った意味で初学者は2級や3級に合格し、簿記の基礎力をつけてから挑戦するのがおすすめといえます。
3-3:簿記1級試験の出題内容
簿記1級試験の出題範囲は次の4科目です。
- 商業簿記
- 会計学
- 工業簿記
- 原価計算
<商業簿記>
まず商業簿記は実務で持ちいられる簿記の問題になります。
簿記1級試験では応用問題が多く、確実な知識がないと解答できない問題も少なくありません。
そのため、基本的な知識を確実に理解しておき、その背景にある知識も知っておく必要があります。
<会計学>
会計学は、会計に関する基礎的な知識を求められる科目です。
簿記1級試験の中では最も難易度が低い科目といわれていますが、範囲が広いため、知識漏れがあると解答できないものが数多く存在します。
<工業簿記>
工業簿記は工業経営を行う会社で用いられる簿記で、様々な事例を交えながら長文問題を解答していきます。
スムーズな読解力が要求される科目です。
<原価計算>
原価計算は文字通り計算問題が非常に多くあり、簿記1級試験の場合は長文と計算問題がミックスされた内容が多い傾向です。
これらの傾向を十分に知ったうえで簿記1級試験に挑戦するようにしましょう。
簿記1級の試験時間は?
簿記1級試験の試験時間は合計180分(3時間)です。
途中15分の休憩が用意されています。
構成としては前半90分で商業簿記と会計学、後半90分で工業簿記と原価計算です。
このように資格試験としては短時間に行われる試験ですが、計算問題が多いため、とにかく時間との戦いになります。
短時間で正確な計算を行い、計算ミスを起こさずに回答していくことが求められ、そう板プレッシャーも予想外の敵となって簿記1級試験の時間中苦しめられることが少なくありません。
ちなみに、前半のみや後半のみの受験といった受験方法には対応していないので注意しましょう。
2科目が1つの試験で行われるため、それぞれの時間配分なども加味しながら回答していくことが要求される試験でもあります。
簿記1級試験は独学で合格できる?
簿記1級試験は独学の勉強でも合格は可能ですが、その合格基準をクリアするのは非常に困難を伴います。
大まかなポイントとして、分からないことがあれば解決できる環境を用意すること、簿記に面白味を感じられること、2級の過去問が7割程度の時間で90%の正答率が出せることです。
とにかく分からないことがあれば独力で解決するのではなく、アドバイスを受けられる環境であることが必要になります。
毎日の仕事で追われて、時間がないサラリーマンの受講者であれば、分からないまま問題を放置してしまうことが危険で、受験しても確実にその点が不合格になるからです。
簿記に対しての面白みや楽しみを感じられるような感覚になる必要もあります。
簿記1級試験は、とにかく分からない人にとっては苦痛でしかありませんので、面白味や楽しみを感じられるくらいの没頭をしないと解答できない試験です。
最後が、簿記2級試験を迅速に確実に解答できるレベルの簿記力が要求されます。
このポイントを押さえないと、簿記1級試験は時間不足と理解不足によって不合格になってしまいます。
これらが難しい場合は、通信講座や教室などに通うなどして対策していきましょう。
簿記1級試験を合格するまでの勉強時間は?
簿記1級試験を合格するまでの勉強時間は、1つの目安として「600時間」程度といわれています。
ただ、これはあらかじめ簿記2級試験に受かった程度の実力を持っている条件です。
もし完全な初心者が合格を狙うのであれば、「1,000時間」は必要といえるでしょう。
その理由として、簿記3級のレベルに達するのに100時間、簿記2級のレベルにはさらに300時間、そして簿記1級の600時間を合算して考える必要があるからです。
これを資格講座などに通った場合で考えると、簿記1級合格までに、およそ1~2年かかると考えるのがいいかもしれません。
このレベルの勉強時間は、難関の各種士業資格にも匹敵する勉強時間であり、いかに簡単に合格できる資格ではないということがわかるのではないでしょうか。