社会保険労務士

社会保険労務士になるには?資格取得する方法

2022-01-14

労働法や社会保険に精通した法律の専門家として人気の「社会保険労務士」は、企業内でも独立開業でも、その知識が両方活かせるという魅力があります。

社会保険労務士試験で合格することが唯一の道であることは間違いありません。

ですので今回は、試験合格を目指す受験生の方々に向けて「社会保険労務士の資格取得するための方法」をお伝えしますので、ぜひチェックしてみてください。

社会保険労務士資格を取得するための方法とは?

この記事では、労働法や社会保険に精通した法律の専門家として人気の「社会保険労務士」になるための方法をご紹介していきます。

社会保険労務士の受験資格(学歴)

・社会保険労務士の受験資格には学歴が必要

社会保険労務士の受験資格には学歴が必要で、4年制大学、短大、高等専門学校以上の教育を受けているというものです。

多くの士業ではこれらの資格は不問であり、中卒や高卒の学歴であっても無条件に受験できますが、社会保険労務士の場合は学歴という条件が加えられているのです。

もちろん、救済措置として実務経験や資格などがあるので必須条件ではありませんが、受験をするうえでの条件になることは事実といえます。

・社労士の受験資格(学歴)

おおまかな条件として冒頭に挙げたものになっていますが、以下の条件をクリアした場合は高等教育機関を卒業していなくとも学歴の条件をクリアできます。

  • 4年制大学で62単位以上の単位取得をしている学生
  • 専門学校を2年以上修業して、1,600時間の授業時間を受けている専門学校の卒業生

つまり、四大に至っては学生でも受験でき、本来は受験できない専門学校卒の場合でも授業時間の多い学校であればクリアしているということです。

ちなみに学部や学科に関係なく受験できるので、例えば医学部を出ていたり、工学部を出ているような方でも学歴の条件がクリアできます。

社会保険労務士の受験資格(実務経験)

・社会保険労務士の受験資格として実務経験が必要

社会保険労務士の受験資格として先ほど紹介した学歴以外に3年以上の実務経験が挙げられます。

これは学歴条件をクリアしていなくとも、この条件を満たしてさえいれば試験が受けられる条件ですが、これはどんな仕事をしていても良い訳ではありません。

基本的に事務の分野で労務関連の実務を行っていたケースで、具体的には次のパターンが挙げられます。

  • 健康保険組合や労働保険事務組合などに勤務
  • 事務方の公務員として奉職
  • 社会保険労務士事務所や弁護士事務所に勤務
  • 労働組合の役員
  • 一般企業や自営業の事務職

最後の一般企業や自営業で事務を経験しているといった条件はクリアしやすい印象があります。

しかし、この場合は受験に当たって具体的な勤務内容を聞かれるので、詳細に説明できるようにしておきましょう。

ちなみに現場での勤務をしている場合は、これらの条件に当てはまらないので注意してください。

・実務経験では以下の報告が必要

具体的な確認項目として次のことを報告する必要があります。

  • 受験者の氏名、生年月日、住所
  • 雇用形態(正社員、派遣社員、役員、期間契約社員・嘱託社員、パート・アルバイトの別)
  • 勤務形態(常勤、非常勤の別)
  • 所属部署名、従事した事務内容、従事した期間

分からない場合は、社会保険労務士試験を実施する全国社会保険労務士会連合会試験センターに記入例があるので確認してみましょう。

社会保険労務士の受験資格(試験合格)

・社会保険労務士の受験資格(他の試験合格)

社会保険労務士の受験資格として、他の試験に合格している場合も得られます。

先ほど紹介した、様々な資格がありますが、特に多いのが行政書士の試験に合格している方で、高卒の方でもこの資格保有を条件にして独立しようとしている方が少なくありません。

また、他の試験合格者として、弁護士資格は未取得なものの司法試験第1次試験の合格者に対しても資格が得られます。

これらの条件をクリアしている方は、次のいずれかの書類を用意しましょう。

  • 合格証明書又はその写し
  • 合格証書若しくは証票又は会員証の写し

詳細な該当資格については全国社会保険労務士会連合会試験センターに公開されています。

現場作業の資格であっても管理分野の資格を取得していれば該当していることが多いので、資格を持っている方は一度チェックしてみてください。

社会保険労務士への登録

・社会保険労務士になるには登録が必要

社会保険労務士への登録は、社会保険労務士試験の合格だけでは取得できません。

社会保険労務士の登録は次の条件のいずれかも加えてクリアする必要があるのです。

  • 全国社会保険労務士連合会の主催する講習会(期間は4ヶ月程度)を受講すること
  • 社会保険労務士事務所などで2年以上実務経験を積むこと

これらの条件をクリアすることで、全国社会保険労務士連合会の保管する社会保険労務士名簿に社会保険労務士として登録できるようになります。

そして、ようやく社会保険労務士として登録し、活動できるようになるという流れです。

名目上はここで登録完了ですが、実際はさらに各都道府県の社会保険労務士連合会への入会を行い、勤務または開業、あるいはその他で登録手続きをしなければ行けません。

このようにして社会保険労務士への登録が行われる仕組みです。

社会保険労務士の開業

・いよいよ社会保険労務士として開業

社会保険労務士の開業を行うには、社会保険労務士試験合格後に社会保険労務士の登録、各社会保険労務士連合会に登録する、税務署に開業届、口座と印章の作成といったステップで行います。

まず、社会保険労務士試験に合格したら、先ほど触れたように講習会または実務経験を伴う手続きを行って免許を取得します。

・開業登録を行う

次に自分が開業する予定の社会保険労務士連合会へ連絡し、開業登録を行いましょう。

この時、入会費と年会費を払いますが、都道府県によって異なるので社会保険労務士連合会に確認しておくのもおすすめです。

ここまで出来たらホームページや事務所案内の作成などもしておくと良いかもしれません。

また、最初は自宅で開業するのがおすすめで、顧客が増えてきたら事務所を借りて業務するようにしましょう。

・開業届を行う

次に開業届を行います。

住民票のある税務書に行って屋号登録すると屋号付きの口座開設が可能となるので、事前に行っておきましょう。

事業所の住所を管轄する税務署と勘違いされやすいので注意が必要です。

ここまで出来たら、銀行に行って社会保険労務士として利用する銀行口座を作成します。

自身の事業の屋号が名義に入った銀行口座なので分かりやすいかもしれません。

・屋号印の作成

次に屋号印の作成を行います。

印鑑はあまり重要視されなくなってきていますが、正式な文章には、効果はいまだに健在です。

屋号印を使用することによって事業への信頼感が増しますので、なるべく作っておきましょう。

社会保険労務士が悲惨と言われる理由

社会保険労務士が「悲惨」という声を耳にします。

その理由として、試験の難易度の高さ、業務範囲がはっきり理解されていない、独立後に失敗するリスクがあるといったことです。

・試験の難易度の高さ

社会保険労務士は非常に難易度の高い試験で、多くの方が失敗しています。

さらに受験も実務経験がない場合は、実質大卒に限られてしまうという点も挙げられます。

このように取得が難しい試験ではあるものの、それに見合ったものではないことが悲惨といわれる理由の1つです。

・業務範囲がはっきり理解されていない

社会保険労務士は、明確に労務関連の手続きを独占的に行える仕事です。

しかし、社会保険労務士の仕事内容が分からず、社会福祉士などのような福祉関連の仕事と混同されていることすらあります。

そのため、どんなことを依頼すれば良いのか分からないことも多く、それが顧客の獲得しずらさにつながっています。

・独立後に失敗するリスク

最後が独立後のリスクで、独立後にスムーズな顧客獲得ができれば社会保険労務士は非常に高収入が期待できます。

しかし、社会保険労務士として営業力がなく、新規顧客が獲得できなければ、忙しい社会保険労務士から仕事を分けてもらうなどあまり仕事が得られない状態になるのです。

そうなると大卒で一般企業に勤務したほうが高収入になるケースが多く、悲惨といわれる原因となってしまうのです。

ただ、これらは最悪のシナリオであり、しっかりと業務を行えば、資格に見合った仕事に数多く携われます。

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