このページにはプロモーションが含まれています
「簿記3級は独学や一夜漬けで合格できるのでしょうか?そして、時間が限られ、切羽詰まった状況でどのように対応すべきでしょうか?」
この問いへの答えは単純明快ではありません。
理想的には、簿記の学習は計画的なスケジュールと一貫性をもって進められるべきです。
しかしながら、独学や一夜漬けでの合格が不可能だとは断言できません。それは、あなたの前知識、学習スキル、そして焦りをどうコントロールするかに大いに依存します。
この記事では、簿記3級の独学や一夜漬けにチャレンジする際の効率的な学習方法を探り、切羽詰まった状況でも最善を尽くすための戦略を提案します。
この記事の目次
簿記3級!初心者でも独学で効率良くできる勉強方法
日本商工会議所の発表によると、直近10回(152〜162回)の日商簿記3級試験の合格率の平均は46.0%でした。
合格率が半数の50%に達していないものの、行政書士(2022年度12.1%)や宅地建物取引士(2022年度17.0%)等、他資格に比べると、簿記3級の合格率が高く合格難易度は比較的低いと言えます。
日商簿記3級試験で合格するためには、約150時間の勉強が必要と言われていますので、1日に2時間の勉強をした場合3ヶ月程度の日数がかかるという計算です。
少しでも経理の知識がある方や、高校または大学で商業簿記の勉強をしていた方ならもう少し短い勉強時間でも問題なく合格を狙えますが、初学者の独学で効率良く勉強したいなら、以下の順番での勉強方法がおすすめです。
簿記を効率よく勉強するおすすめの勉強方法
初学者の独学1:1冊の参考書を読み込む
簿記3級の事を全くの無知で何も分からないまま問題集などに取り掛かるより、まずは参考書を読んで簿記3級の用語などインプットすることが大切で、色々な参考書を読み漁るより、1冊をじっくりと読み込んでいくことが効率の良さに繋がります。
もちろんただ読み込むだけでは効率の良い勉強方法ではありませんので、仕訳に力を入れてしっかりと理解したり、わからない箇所は流さずに理解・納得できるまで調べたり、最低でも3回読み込んで試験範囲の把握・重要ポイントの理解・最終確認をすることがポイントになります。
初学者の独学2:過去3年分の過去問を解く
過去に出題された問題を手当たり次第のように解くより、過去3年分程度の過去問に絞った方が効率は良いです。
古過ぎる過去問は出題範囲が今とは変わっていることもあり、参考にならないことがほとんどですので、過去問を解く際は過去3年分程度の過去問に絞ることをおすすめします。
ちなみに、過去問を解いてみて分からなかった問題や間違えてしまった問題は、参考書で確認をして復習することが大切です。
初学者の独学3:本番を想定した実践練習
試験本番の1~2週間前になったら、予想問題集などを使いながら本番を想定した実践練習を行います。
全問正解が望ましいですが、ここでの目標は「問題を見た時に解き方が瞬時に頭に浮かぶレベルになっているか?」なので、このレベルに達するまで実践練習を行う必要があります。
本番同様に時間を測りながら取り組むと、時間の見直しができるだけではなく、本番当日の試験にも安心して臨むことができます。
簿記3級の独学合格に必要なもの3選
簿記3級の独学合格に必要なもの3選としては、「①電卓・②過去問題集/テキスト・③十分な学習時間」です。
では、1つずつ詳しく解説していきます。
必要な物1:電卓
電卓なしでも簿記3級の受験は可能ですが、数千万や数億という金額規模を暗算だけで行うことは非常に難しいですし、答えを導きを出すまでにかなりの時間がかかってしまいます。
短時間で正確な答えを導き出すためには、12桁表示でメモリ機能のある電卓を用意しておくことをおすすめします。
必要な物2:過去問題集/テキスト
簿記3級のテキスト・演習問題と簿記3級の予想・過去問題集を準備する必要があり、テキストがないと勉強は始められないので、わかりやすいテキストを1冊用意することをおすすめします。
簿記3級は、義務教育や高校・大学で勉強してきた内容とは異なり、「基本的な商業簿記を修得し、小規模企業における企業活動や会計実務を踏まえ、経理関連書類の適切な処理を行う」ために求められる知識の試験ですので、簿記の根本的な仕組みや概念を理解できていないと合格は難しいです。
そのためテキストを選ぶ際は、「難しい言葉で書かれていないこと」や「イラストつきでわかりやすい説明があること」を重視することで、情報把握や理解するまでのプロセスのハードルを下げることにより、勉強段階で躓きにくくなります。
必要な物3:十分な学習時間
簿記3級に落ちてしまう人の多くが、"学習時間不足"です。
独学の場合、予備校などとは違い勉強量や学習時間を強制される環境ではないですし、「勉強しなさい!」と叱ってくれる人も居ませんので、簿記3級の独学合格を目指すなら、しっかりと学習時間の確保をする必要があります。
簿記3級は忙しい社会人でも1ヶ月の独学で合格できる?
簿記3級を1ヶ月の独学で合格を目指すなら、トータルで約50時間の勉強時間は必要で、平日は1時間/日、休日は3~4時間/日の学習時間が必要になります。
トータル約50時間の勉強時間の配分イメージとしては、以下が理想的です。
始めの10時間
初学者だからこそ、始めの10時間はインプットにあて、簿記用語に慣れ演習問題を行い、簿記3級の概要をしっかり理解することが大切です。
次の20時間
総合問題を解く時間にあて、問題の形式が5つ(仕訳問題・勘定・試算表・伝票会計・精算表)あるので、それぞれの傾向と対策のイメージを掴んでいきます。
最後の20時間
過去問対策にあてることで、間違ったところだけを解いていき、同じ間違えを繰り返さないように改善していきます。
仕事と勉強の両立は簡単なことではありませんが、毎日継続して勉強をすることがなによりも合格率を上げますので、社会人でも1ヶ月の独学で簿記3級に合格は可能です。
「仕事が忙しいから…」と勉強をしない期間を空けてしまうと、以前勉強していた内容の記憶が薄くなって忘れてしまうこともありますが、それでは1ヶ月で簿記3級の合格は難しいです。
仕事で忙しかった日は、5分でも10分でも少しの時間でも構わないので、毎日継続して勉強することをおすすめします。
簿記3級は初学者の一夜漬けでも合格できるのか?
簿記3級試験は初学者が一夜漬けで合格可能なのでしょうか?
この疑問は多くの初心者が抱いているでしょう。簿記は事実上、単に覚えるだけでなく、理解と実践を必要とする科目です。初学者にとって、理論を理解し、実際の取引をどのように帳簿に記録するのかという実践的なスキルを身につけることが重要です。
これは一夜漬けの学習ではなかなか達成困難なことで、一定の時間と努力を必要とします。
それゆえに、短期間での成功よりも長期的な学習と理解が強く推奨されます。
一夜漬けしなければいけない場合は?
一夜漬けは理想的な学習法ではないことを最初にお伝えしておきますが、もし簿記3級の試験がすぐに迫っているという状況であれば、以下のようなアプローチをとることが考えられます:
基本的な簿記の概念の理解
簿記に関する基本的な概念を理解することから始めます。例えば、借方と貸方、貸借対照表や損益計算書などの基本的な簿記の仕組みを理解することが重要です。
過去問題の解答
可能な限り多くの過去問題を解いてみることも重要です。それによって試験の形式を理解し、問題にどのように取り組むべきかを学ぶことができます。
要点整理と暗記
試験範囲内の主要な要点をリストアップし、それらを順序立てて覚えることも一夜漬けの学習法として有効です。
模擬試験の実施
模擬試験を何度も実施することで、実際の試験状況に慣れることができます。
これらのアプローチは、一夜漬けの学習法としては最大の効果を発揮する可能性がありますが、それでも理想的な学習法とは言えません。一夜漬けは結果的に疲労を引き起こし、試験のパフォーマンスを低下させる可能性があるため、計画的な学習が推奨されます。
初学者が一夜漬けで合格するために必要な3つのアイテム
初学者が一夜漬けで簿記3級に合格するのは、決して無理なことではありませんが、勉強時間を確保するために「効率良い勉強」が重要です。
参考書「スッキリわかる日商簿記3級(参考)」
スッキリわかる日商簿記3級の参考書は、イラストとポップな雰囲気なので読んでいて飽きませんし、問題集と過去問が収録されているため、この1冊で短時間で学べます。初学者でも理解しやすい説明なので、非常に分かりやすく重点的な部分に絞って効率の良い学習が可能です。
過去問集「よくわかるシリーズ合格するための過去問題集 日商簿記3級」
TAC公式の過去問集で、12回分の過去問が掲載されているので、一夜漬けで終わらせることは難しいボリューム感ですが、直近の数回分に絞って過去問を解き、それをしっかりと理解することで効率の良い勉強が行えます。
12桁の実務電卓
小さい電卓は打ち間違えが増え、計算スピードが遅くなりますし、液晶版の文字が小さいことで読み間違えのリスクも高まるので、自分の手のひらサイズの電卓があると、効率よく正確に計算・回答できます。
初学者が一夜漬けで合格を狙うために効率よく勉強する方法
- 自分に合ったテキストを用意する
- 1冊のテキストを何度も読み込む
- 過去問を演習する
- 間違えた箇所をテキストで見直す
- 本番前は本番形式で演習する
一夜漬けであっても、時間をかけて簿記3級の合格を目指す方と同じ勉強方法が1番効率が良くておすすめです。
一夜漬け勉強をする時の3つのポイント
仕分けをマスターする
簿記3級の基本は仕訳で出題傾向を分析すると、仕訳をマスターしていれば80点くらいは獲得できるケースがほとんどです。そのため、精算表/財務諸表の傾向をいち早く掴むためにも、ここは多めに勉強時間を確保しておいた方がよく、総合的な問題が出題されるので、他の問題も解けるようになるという相乗効果に期待できます。
過去問の出題問題をできる限り解く
第何回の試験であっても、簿記3級の出題傾向はほぼ毎回同じと言われていて、合格要件に測って問題が作成されているので、それぞれの試験で明らかに難易度の差をつけることは目的に反するからです。こうしたことから、傾向から対策が立てられる過去問はとても重要な役割を持っているので、時間がない日でも1問以上は過去問演習を行うように心がけることをおすすめします。
捨てて大丈夫な問題を見極める
過去問演習時はもちろん、本番当日も残り時間が少ない場合は、100点を狙う必要はなく、合格に必要な得点を狙えばいいのです。簿記3級は70%の正答率で合格できるので、時間がない時は確実に点を取ることができる部分に時間を割くべきです。試験を受けるからには100点で合格したいところですが、理解できる範囲に絞っての学習を進め、難問は潔く諦めることも簿記3級合格へのポイントとなります。
簿記3級の通信講座はおすすめ?どんなメリットがある?
独学とは違い、簿記3級の通信講座を受けるには教材以外にも費用がかかりますが、利用するメリットはたくさんあります。
通信講座を受けることであなたが得られるメリット
短時間で習得できる
独学とは異なり通信講座では、過去の受講者の合否判定結果を踏まえた学習カリキュラムがしっかりと構成されているため、最短合格可能なスケジュールもあり、ダラダラと簿記3級の勉強をすることなくトントン拍子で進めていくことが可能で効率よく勉強ができます。
サポートが手厚い
分からない箇所があれば、すぐに質問できる環境が整っているため、曖昧な理解で進めることなく、しっかりと納得した上で理解を深める勉強を進めていくことができます。
知識として身に付く
独学の場合、試験対策だけの浅い知識になってしまい、実務として活かせないケースが結構多いですが、通信講座であれば、きちんと簿記3級の専門知識が身に付くので、定着はもちろん実務としても十分活かすことが可能です。
自分のペースで勉強できる
通信講座は、わざわざ教室に足を運ぶ必要はないので、自宅に居ながらでも通勤途中の電車でも授業に出席することができ、非効率に感じやすい移動時間の短縮にも繋がりますし、質の高い授業を自分の時間に合わせて受けられるのは非常に効率が良いです。
最後に
簿記3級の試験に初学者として一夜漬けで挑むというのは、非常に厳しい挑戦となるでしょう。
しかし、「絶対に不可能」と言い切ることはできません。一夜漬けで合格するためには、特定の戦略と高い集中力が求められます。
まず、短期間で簿記の基本的な概念と理論を理解することが必要です。それには、具体的な例を通じて理解を深めることや、用語とその関係性を整理し視覚的に捉えるための図表を作成することが役立ちます。また、過去問題の活用は不可欠です。短期間で大量の情報を学習することは困難ですが、過去問を解くことで試験に出やすいトピックや問題形式を把握することができます。
さらに、効果的な一夜漬けのためには、睡眠と休息を適切に確保することも重要です。一晩中勉強をしてしまうと、試験当日に疲れてしまい、思考力や記憶力が低下する可能性があります。より良い結果を得るためには、定期的な休憩と適切な睡眠時間を確保することを忘れないでください。
ただし、こうした一夜漬けは最終的な選択肢であり、可能な限り避けるべきです。より効果的な学習と長期的な知識の定着のためには、計画的な学習が最も推奨されます。しかし、もし時間がなくても、正しいアプローチと高い意志力があれば、一夜漬けでも合格は決して不可能ではありません。