不動産に関する重要事項の説明など独占業務を行う不動産取引の専門家として人気の「宅地建物取引士(宅建士)」。宅建士を目指す方にとって、必要な資格です。しかし、、、
- まとまった時間を勉強になかなか使えない。勉強不足だ
- もう失敗は許されないという空気がプレッシャー
このような不安を抱えている方が、講座を受けようと思った時、心配なのは「私でもできるのか?」ということではないでしょうか?
この記事では「宅建士」の合格率や試験難易度や独学可能か?ついてご紹介します。
この記事の目次
宅地建物取引士(宅建士)試験の合格率ってどのくらい?

宅地建物取引士(宅建士)。その仕事は、お客さんに不動産契約の内容説明や契約締結など説明しながら、お客さまに不利益が無いよう開かれた不動産契約を進めていきます。
不動産の売買及び賃貸関連の取引におけるエキスパートのことで、この資格の保持者がいないと不動産屋は宅建業を行うことが出来ないことから、不動産関連の業界では非常に役立つ資格なのです。
宅地建物取引士試験、合格率の推移
・宅建試験の合格率は15~18%
令和3年度12月に実施された宅地建物取引士試験の合格率は「15.6%」です。宅地建物取引士試験の合格率は、ここ10年、約15%~18%の合格率となっています。
直近5回の合格率は、令和3年度12月が15.6%、令和3年度10月の合格率が17.9%、令和2年度12月の合格率が13.1%、令和2年10月の合格率が17.6%、令和元年度の合格率が17.6%となっています。
通常1年に1回の試験ですが、コロナウイルスの影響で、令和3年と令和2年については、一部の都道府県で、12月にも試験が開催されています。
年度ごとに算出しなおすと令和3年度の合格率は17.6%、令和2年度の合格率は16.8%となり、15%~18%の間となります。
平成30年以前は合格率が15%台の年が多かったですが、ここ3年程度、若干合格率が高くなっています。
・多資格に比べて受験生が飛び抜けて多い宅建試験
宅地建物取引士試験は、行政書士試験や司法書士試験と比較しても、受験者数が飛びぬけて多く、毎年約200,000人(20万人)以上の方が受験しており、比較的、受験しやすい資格だと言えます。
また、不動産事業従事者が登録講習を受講し、5問免除されている場合の合格率は、約20%と通常受験と比較し、合格率が高くなっています。
合格者数は毎年約3万人~4万人ほどなのでその数字だけを見るとたくさんの人が合格している印象を受けますが、合格率で見ると毎年20%を割っています。
つまり、受験者の6人に1人ぐらいしか合格していません。
2012年~2021年までで合格率が大きく変動しているわけではないため、今後も似たような合格率で推移していく可能性が高いです。
宅地建物取引士(宅建士)の難易度は?

・簡単ではない宅建士試験
宅地建物取引士の資格試験は国家試験の中では、比較的合格しやすい試験で、偏差値で例えると「55~59程度」と、難易度は中の上と、一般的には言われています。
受験者数が約200,000人(20万人)と多く、過去の合格率は15~18%となっています。
受験資格の制限がないこともあり、だれでも受験できる国家試験となっているので、受験者数が多く、受験者の中には、会社からの指示などで、あまり勉強せず、受験している方も一定数含まれていることも考えられます。
そのため、しっかりと勉強して、受験した方の合格率はもう少し高くなると推測されます。
行政書士試験の合格率が約10%、司法書士試験の合格率が約5%なので、それと比較すると、国家試験の中では、優しめの試験となっています。
宅地建物取引士(宅建士)試験の合格ライン
しかし、試験範囲が広く、不動産関連の仕事が未経験の方だと、専門用語を覚えるところからのスタートとなるため、しっかりと勉強をする必要があります。
宅地建物取引士の試験は、合格点が毎年異な理、合格点はここ10年32点~38点の間と、正答率が70%以上が合格ラインです。
5問免除されている場合の合格率は、約20%となり、若干、難易度が下がります。
宅地建物取引士(宅建士)試験の合格率が低い理由
合格率だけを見ると低めなので、「自分には難しいのでは…」と身構えてしまう方もいるかもしれませんが、宅地建物取引士試験の合格率が低いのにはきちんとした理由が2つあります。
・誰でも受験出来る
宅地建物取引士試験には、受験資格の規定や制限が全く設けられていません。受験したい人は誰でも挑戦することが出来る資格試験なので、極端な話をすると、不動産に関する知識や経験の全く無い方もお試しで受験してみるということが可能なのです。
・職場で受験を推奨されることが多い
不動産関連の企業は、社員に宅地建物取引士の資格を取得するよう推奨することが非常に多く、中には受験費用を会社側が負担するといったこともあるため、そこまで真剣に学習しないまま受験している層が一定数存在しています。上記のような理由があることから、宅地建物取引士試験の合格率は比較的低めに設定されています。
しかし、お試しの方や真面目に学習していない層もこの中に加わっていることを踏まえると、ポイントを抑えた学習をしっかりと行えば、合格を目指すことは十分可能となっています。
宅地建物取引士(宅建士)試験の日程・内容は?

それでは次に、宅地建物取引士(宅建士)試験の日程や詳細に関して見てみましょう。
宅地建物取引士(宅建士)試験は年に何回?
宅地建物取引士(宅建士)の試験日ですが、基本的には年に1回のみの開催で、例年だと10月の第3日曜日に試験が開催されるので、2022年の場合は10月16日になる予定です。
試験の開催日がおおよそ予測できるので、その日を目標に勉強のスケジュールを立てるのがおすすめです。ちなみに合格発表は、11月の最後の水曜日か、翌12月の最初の水曜日が通例です。
ただ、2020年・2021年は新型コロナウィルスの影響を受け、年に2回試験が開催されています。
2022年がどうなるのかはわかりませんが、2022年も2回実施される可能性があります。2022年の7月頃に開催日が正式決定しますので、発表されたら確認しましょう。
受験の申し込み期間は、インターネットだと7月中旬まで、郵送だと7月下旬までとなっているので、受験を考えている方は、3か月前までには申し込んでおく必要があります。
年に1回の試験のため、それを申し込みを逃してしまうと次に受験できるのは、1年後となります。
試験会場は、原則、自分の住んでいる都道府県会場での受験となり、費用は7,000円となり、インターネットか郵送での支払いとなります。国家資格の受験料の中では比較的リーズナブルな価格となっています。
「宅地建物取引士(宅建士)」の受験資格は?

宅地建物取引士試験は、宅地建物取引業法に基づき、実施される試験で、年齢や学歴、不動産業界での実務経験などが不問で誰でも受験できることが魅力の資格です。
誰でも受験できるため、受験者は、不動産業界を目指す学生や、会社員、主婦の方等幅広い方が受験しています。受験しやすい国家試験のため、毎年、約200,000人(20万人)が受験する人気の資格試験です。
宅建試験、一部免除になる「登録講習」
登録講習を受講することで、試験の一部免除が受けられる制度もあります。
登録講習受講の要件は、勤めている会社が宅地建物取引業者として登録されており、従業者証明書を発行された場合となります。
登録講習機関は、全国で約20機関あり、4月~7月にかけて実施されています。料金は13,000円~17,000円となっています。
内容としては、5問免除部分の内容だけでなく、宅地建物取引士として必要な知識も含まれています。
5問免除の対象となる、登録講習修了者となるためには、講習修了後、修了試験に合格する必要があります。4択の選択問題が20問あり、7割以上で合格となります。合格すれば、3年以内の宅地建物取引士試験で5問免除となります。
「宅地建物取引士(宅建士)」の試験内容

全問4択のマークシート形式で、出題通は50問(登録修了者は45問)、試験時間2時間(登録修了者は1時間50分)の試験で、毎年変動する合格基準点(毎年35点前後)を上回れば合格です。
試験科目は、「宅建業法(20問)」「法令上の制限(8問)」「その他の法令(8問)」「権利関係(14問)」となっています。「その他の法令」については、登録講習修了者は3問となります。
試験内容は、下記となります。(一般財団法人不動産適正取引推進機構HPより)
- 土地の形質、地積、地目及び種別並びに建物の形質、構造及び種別に関すること。
- 土地及び建物についての権利及び権利の変動に関する法令に関すること。
- 土地及び建物についての法令上の制限に関すること。
- 宅地及び建物についての税に関する法令に関すること。
- 宅地及び建物の需給に関する法令及び実務に関すること。
- 宅地及び建物の価格の評定に関すること。
- 宅地建物取引業法及び同法の関係法令に関すること。
専門的な知識などを問うのではなく、宅地建物取引業に関する基本的な知識を持っているかが問われる内容となっています。不動産や不動産の取引に関する幅広い知識が求められる試験です。
宅地建物取引士の問題出題傾向
宅地建物取引士試験では、以下4つの分野に関して出題がされます。
<民法>
民法とは、日常生活において発生するさまざまな契約に関する法律のことを指しています。膨大な数の条例を覚えて理解する必要があり、難解な専門用語も登場することから、学習していくうちに挫折してしまう方が非常に多い分野です。
しかし、民法からは例年約14問が出題されており、宅地建物取引士試験において民法の占める割合が非常に大きいことから、この分野を諦めてしまうと合格への道は険しくなってしまいます。
<宅建業法>
不動産の売買において、消費者の権利を保護する法律が宅建業法です。「開業のルール」、「業務上の規制」、「監督・罰則」の3つから構成されていますが、宅建業法は例年20問程出題されています。民法と比べると宅建業法は条文が少なくなっていることから、宅建業法の分野では高得点を取る受験者も多く存在します。
<法令上の制限>
こちらは、不動産に関しての制限についての分野です。こちらは上記の2つよりも低めの約8問が毎年出題されています。
<その他関連知識>
こちらでは、その他知っておいた方が良いとされる知識についての分野で、例としては税金関連について質問されます。こちらも法令上の制限と同じく例年およそ8問が出題されています。
2020年民法改正の影響は?
2020年4月1日に200項目以上の大幅な民法改正が行われ、宅地建物取引士試験にも大きな影響が出ています。
改正された箇所は新しく覚え直す必要があり、権利や連帯債務等のさまざまな分野で、これまでとは異なる回答をする必要があるからです。
例として「契約不適合責任」について見てみましょう。
「契約不適合責任」は、民法改正以前には「瑕疵担保責任」という名称だったのですが、購入した不動産の不備は買主と売主どちらの責任になるのか、に着目した法律です。民法改正前では、売買の時点であらかじめ買主側がその不備を知っていた場合、買主側の責任となります。
つまり、買主側が売主側に修繕費や損害賠償の請求をしたり、契約を解除したりすることは不可能だったのです。
しかし、民法改正後の「契約不適合責任」では、買主側がはじめから不動産の不備を把握していた状態で購入していたとしても、その責任を売主側が負う可能性があると変更されました。
よって、買主側が売主側に修繕費及び損害賠償を請求した場合に、売主側がそれに応じなければならない可能性が発生し、契約自体を解除することも出来るようになったのです。
これまでとは真逆の結果に繋がってしまうことから、民法改正は宅地建物取引士試験へ大きな影響を及ぼしています。
改正点は出題されやすい傾向にあるため、古い情報のまま覚えてしまわないよう、しっかりと確認しながら学習するようにしましょう。
「宅地建物取引士(宅建士)」は独学で合格できる?

宅地建物取引士試験は、独学でも合格が可能な国家試験です。
ただし、国家試験の中では、比較的優しい試験とはいえ、専門用語なども多いため、独学の場合は、合格レベルまで勉強するには、かなりの時間がかかりますが、合格するのに必ずしもスクールなどに通わなければいけないわけではありません。
不動産業界で働いているなど、専門用語などの知識がある場合は、独学での合格確率も上がると考えられます。
・独学のメリット
独学の良い点は、自分の好きなタイミングで自由に勉強できる点です。
宅建士の合格を目指す方の中には、働いている方が多く、働いているとなかなか通学して勉強する時間を取れないですが、独学なら勉強するタイミングを自分で決められます。
ですので、勉強のためにスケジュールを拘束されたくない方に向いていますし、独学は勉強するための費用がかからないのも良い点です。
宅建士試験、独学での勉強のポイント
・効率良く勉強することが必要不可欠
ただし、独学で合格するためにはコツがあります。
それは「どこをどう勉強するのが最適なのか?」効率をアップさせることです。誰かに直接教えてもらえるわけではないため、独学はどうしても勉強の効率が悪くなってしまいがちです。
もしも試験に出題されない的外れなポイントを勉強していたら、いくら勉強しても無駄になってしまいますので、重要なポイントがどこなのかを見極め、効率良く勉強することが独学で合格するためには必要不可欠です。
また、試験に関する情報を誰かが教えてくれるわけではないため、自分で積極的に情報収集をしなければいけません。独学だと誰かを頼れないため、情報収集にも時間を割かれやすいです。
・宅建業法の暗記
出題数が一番多い「宅建業法」は、暗記科目となるので、この科目でどれだけ点数を稼げるかが、合格への近道となります。
次に出題数が多い「権利関係」は、暗記科目ではなく、きちんと内容を理解しているか?を問う問題が多く、どのような角度からの問題でも回答できるよう、しっかりと内容を把握しておく必要があります。
合格ラインの目安である、70%以上の点数を獲得するためには、試験科目をまんべんなく、理解し、苦手科目をつくらないことも大切です。
中程度の難易度の資格試験を受験したことがあり、自分独自の勉強方法がある方であれば、独学でも合格できる試験となっています。
独学で合格するためのポイントは、モチベーションの維持と過去問題の反復演習です。半年以上にわたり勉強する試験となるので、モチベーションを維持し、日々勉強できれば、独学一発合格も可能です。
「宅地建物取引士(宅建士)」合格に必要な勉強時間は?

・300時間(4~5か月程度)の勉強時間が必要
宅地建物取引士(宅建士)はそれなりに難易度の高い試験なので、人にもよりますが、試験の合格に必要な時間は、通信講座やWeb講座などを利用している方で、だいたい300時間ほどの勉強時間が必要だといわれています。
300時間ほどなので、1日1時間勉強したとしても300日はかかる計算です。
1日1時間ならできそうに感じられますが、仕事や家のことをしながら毎日1時間の勉強をキープするのは決して簡単ではありません。1日1時間勉強しておおよそ1年がかりで合格を目指すスケジュールです。
ただ、不動産などの基礎知識がある場合は、100時間程度と勉強時間が少なくても合格する人はいますが、それはかなり効率良く勉強した場合の勉強時間です。
・独学の場合は、400時間以上は必要か?
独学の場合は、さらに勉強時間が必要となります。
また、もしも宅建士について何もわからない初心者から勉強する場合は、400時間〜500時間ほどの勉強時間がかかってしまうケースもあります。
こうなると1回目の試験で合格するのは難しく、どうしても勉強時間が足りなくなってしまいます。
1日中勉強に費やせるなら短期間の勉強で合格する可能性もありますが、社会人として働いているとそれは現実的ではありません。
通信教育やWeb講座であれば、各科目のポイントや分かりにくい法律用語の解説などもあるので、効率的に学習を進めることができます。
また、他の資格試験同様に、頻出分野や出題傾向などがあるので、講座などを受講している場合は、試験のポイントなども教えてもらえ、短期間で合格レベルに近づくことが可能です。
継続した勉強するためにモチベーション維持も重要
半年にわたり学習することが必要な試験のため、モチベーションの維持も大事になります。独学の場合は、自分で計画を立て、学習を進めていく必要があるので、モチベーションをしっかりと自分でコントロールする必要があります。
講座を受講している場合は、計画に基づき、学習を進めることができるので、モチベーション維持や学習の進捗度合いの把握も容易です。
資格取得の勉強に時間がかかるので、しっかりとモチベーションを維持し、過去問を参考に学習を進めていくことが合格への近道となります。
いずれにせよ宅地建物取引士(宅建士)合格のためには、かなりの勉強時間が必要ですので、十分な勉強時間をしっかりと確保したうえで試験に臨むのが合格への道です。
この記事の監修者

2004年(平成16年)12月に宅地建物取引士試験一発合格。
二人目の子供を妊娠中の出産予定日三ヶ月前に、ふと「宅建士試験を受験してみよう!」と思い立ち、独学で勉強を開始。
現在は、東京都内にある不動産会社に勤務。ヨットが大好きなトランペッターの宅地建物取引士です。