超難関資格である税理士って、資格取得までとても大変です。試験勉強は難しいですし、合格するためには勉強時間も確保しなければなりません。
お仕事をしながら、税理士の勉強をしている人は、仕事以外の時間は、ほぼほぼ全ての時間を受験勉強に注いでいるのではないでしょうか?
そうやって苦労の末に取得する税理士資格ですが、独立開業を考えていない方の場合、実際のところ税理士の求人ってどの程度あるのか?わからない部分もあると思いますので、今回は税理士の求人状況について徹底解説しました。
この記事の目次
税理士は難しい国家資格試験の割に求人は少ないのか?
「税務・会計」のスペシャリストである税理士は、合格率10〜20%という難関の国家資格です。
こんなにも難しい難関資格であるにも関わらず、試験合格しても就職は少ないという印象があると思われています。
実際のところはどうなのでしょうか?
税理士の求人状況は?

現在、税理士の求人状況は比較的良好といわれ、税理士の求人に影響を与える可能性があるのは、「税理士試験合格者の増減」や「税理士法人の増減」、「景気などに左右される市場のクライアントの増減」が影響します。
売り手市場といわれている不況にも強いのが特徴の業界で、採用活動も比較的高いレベルにあり、税理士試験に合格したものの就職できないといったことはほとんどありません。
・影響①:税理士試験合格者の増減
まず、税理士試験の合格者はほぼ横ばいになっており、大きな変化はありません。
つまり、ライバルとなる税理士求人の求職者は変わらないことになります。
税理士の合格者数が増えれば供給過多となるので就職がしにくくなり、求人数が変わらなければ就職も困難となりますが、ここ数年そういったことはありません。
・影響②:税理士法人の増減
次に税理士法人の数も影響を与えます。
これは税理士の求人を行う大きな受け皿になっている存在であり、減っているとその求人数も減ることになります。
この税理士法人数も徐々に増えており、税理士の求人枠もそれに応じて増えている可能性が高いといえるでしょう。
ちなみに参考となる数字として2008年は1,750、2013年2,748、2017年10月には3,646と増加し、2021年1月現在は4,360が税理士法人として登録されています。
これだけ増えていれば、それに応じて税理士求人の増加も期待できるでしょう。
・影響③:市場のクライアント数の増減
最後にクライアントの数も税理士の求人には重要です。
この数が減ると税理士は仕事が減るので重要な指標ですが、この数字も2021年もほとんど横ばいで推移しているのが特徴です。
こういった状況から税理士の求人は現在も旺盛で、税理士試験に受かっても就職できないといった状況ではないといえるでしょう。
ただし、人気の税理士法人は競争率も高いため、場所を選ばなければという条件が付きます。
税理士の求人、実務未経験でもある?

・税理士の求人、未経験でもある?
税理士の求人は実務未経験者でもあります。その理由は学生で合格するケースもある、未経験でもできる仕事が多い、一般企業でも求人があるという3点です。
税理士試験は年齢制限がないため、大学在学中に合格する方も決して珍しくありません。
そのため、学生の新卒、つまり税理士の補助といった業務未経験で就活する方もいるのです。
そう言った学生に対して税理士法人だけでなく会計事務所なども求人を出しているので、未経験でも就職できます。
・税理士事務所:未経験者での求人
会社員で税理士試験に合格し、未経験で転職といったケースでも税理士事務所の求人はあります。
なぜなら税理士事務所や会計事務所は、税理士未経験でもできる仕事が数多くあるからです。
税理士が勤務する会計事務所や税理士事務所は法人・個人クライアントに代わって、会計データの入力、請求書などの証票書類の整理とファイリング、試算表を作成し、その結果をクライアントに報告する業務があります。
この会計帳簿の作成を行う記帳代行の業務は、会計事務所や税理士事務所の大きな収入源です。
このような業務は、税理士未経験者でもできるため幹部の税理士ではなく未経験者やパートの事務員が担当することも少なくありません。
つまり、税理士未経験者でも税理士法人側ではほしい人材なのです。
もちろん大手企業の場合はこの業務を企業内の経理部で行っているので、税理士未経験者の出る幕は無いように思えますが、そのチェックを税理士未経験者が行う体制になっているので、クライアント企業の大小に関わらず税理士未経験者は活躍する場があります。
・一般企業:未経験者での求人
また、一般企業でも未経験者での求人があります。
先ほど触れた通り税理士が行う記帳代行業務を企業で内製化(自前で行っていること)している場合は、経理部配属前提で求人を行っているケースも見られます。
内製化している企業は大手が多いので大手企業への転職手段として税理士未経験者が応募するケースもあるのです。
こういった理由から税理士未経験者でも求人はあり、新卒でなく転職組であっても十分就職可能といえるでしょう。
税理士の将来性は?

税理士の将来性は、他の職業同様にマイナスの面とプラスの面があり、どちらにも転がる可能性はあり、不透明な部分があります。
・税理士の将来:マイナスの面
マイナスの面としては、AIや事務作業を自動で行うRPA(ロボティックプロセスオートメーション)の登場です。
これらは会計入力や自動計算といったものに優れており、手作業の入力によるケアレスミスも発生しません。
これはどんな老練な税理士でも発生しうるエラーを未然に防いでくれるという意味で税理士に置き換わる存在といわれているのです。
こういった事実から将来性を悲観する方も少なくありません。
・税理士の将来:プラスの面
プラスの面として税理士は税務判断や経営の助言といったことができる点で、従来は補助的な業務と思われていた、これらの業務がメインになる可能性があるのです。
計算面はAIやRPAに任せて、そこから得られたデータをもとにコンサルティングを行うことが重視されます。
加えて税務の判断で難しい面は、どうしても専門性の高い税理士の力が必要になります。
また、機械がいくら正確であっても最後のチェックは必ず税理士が行わなければいけません。
そう言った意味で将来性は決して暗いものではありません。
税理士って、なくなる仕事?

・税理士の仕事はなくなる?
先ほど触れた通り、税理士はAIやRPAに置き換わる可能性があるといわれています。
しかし、このような状態にあるものの最終的な判断は人間、それも税務のスペシャリストである税理士が担当しますので、資格自体がなくなることはないでしょう。
仮になくなる仕事であれば、税理士の資格自体も縮小されて行く可能性があります。
事実、税理士は合格者が成績上位者というルールなのでコントロールできるからです。
また、税理士という税務のスペシャリストがいなくなると、その税務を自動化するための専門家がいなくなることを意味するので、今後IT技術者の一分野あるいはコンサルティング業として継続していく可能性を十分に秘めています。
税理士に求められる能力やスキル

税理士に求められる能力やスキルについても見ていきましょう。
まず税理士に求められる能力は、計算能力、数字の解釈力、税務の知識です。
・税理士に求められるスキル①:計算能力
そもそも税務の計算を大量に行っていくには計算能力が重要な力を発揮しますが、そもそも税理士にその能力が欠けていると仕事ができません。
・税理士に求められるスキル②:数字の解釈力
また、数字から経営課題やムダなお金の動きなどを読み取る力、つまり数字の解釈力も重要な能力です。
これらのデータである数字を見て、適切な経営アドバイスができるようになることは、税理士として重要な能力です。
・税理士に求められるスキル③:税務知識
最後に税務の知識は最低限必要な能力です。
確かに税理士試験で合格すれば一定の知識はあるかもしれませんが、税務は度々改正が行われ、システム自体が変化しています。
この変化に対して対応していなければクライアントからの信用も得られません。
・税理士に求められるスキル④:対人スキル
一方スキルとしては対人スキルが求められ、コミュニケーション能力やクライアントが意図する要望を聞き取れなければ税理士としての仕事は成り立ちません。
こういった能力やスキルを免許取得後勤務中に得ることで、将来的な開業もより良い形でできるようになるでしょう。
税理士の転職面接での志望動機の考え方

志望動機は、あなたが企業と長期的な関係を構築できる根拠を示す必要があります。
そこで税理士が転職する際に考えておきたいものとして、税理士を選んだ理由、事務所を選んだ理由、キャリアの目標、そして自分の強みです。
・志望動機①:税理士としての道を選んだ理由
税理士を選んだ理由として、大学で会計を学んだ、財産を扱う仕事に興味がある、クライアント企業の発展に貢献したいといったものがよく言われます。
しかし自問し、それ以上のものがあれば、前面に打ち出しましょう。
・志望動機②:転職希望する税理士事務所を選んだ理由
その税理士事務所を選んだ理由も伝えるようにします。
「なぜ、その事務所を選んだのか?」を伝えるために、研修制度の充実やクライアントの規模を挙げる方が多くいますが、こちらも自分なりの分析結果を伝えるようにします。
・志望動機③:キャリアの目標
キャリアの目標も伝えておくのがおすすめです。
税理士として大きな仕事をするために実力をつけたいといったものや終身雇用を行っていない中小の税理士事務所の場合はいずれ開業したいといったことも伝えておきます。
・志望動機④:職場に対してどんな貢献できるか?
最後は自分がその職場に対してどんな貢献できるかです。これは自分の強みを伝える場面であり、粘り強さやコツコツやる習慣などを伝えます。
この4点を自分なりに見つめ直してみましょう。
間違ってはいけないのは、転職の際に提出する履歴書・職務経歴書は、 自分という商品を採用側企業に売り込むための提案書だということです。
自分の希望だけを書くものではなく、あなたを採用した場合の企業側のメリットを記載していなければなりません。