あなたは、今、司法書士試験に向けて、一生懸命に勉強されていることと思います。
そんな受験生のあなたが試験合格できるよう、現役司法書士の方に司法書士試験を一発合格した勉強法をインタビューしましたので、ぜひチェックしてみてください。
あなたが司法書士試験合格へ1mmでも近づければ嬉しいです。
この記事の目次
司法書士試験を合格された手塚さんにお聞きしました
司法書士として活躍されている手塚司法書士事務所 代表の手塚さんに、試験合格までの道のりをお聞きました。
インタビューを受けてくれた方

手塚司法書士事務所 代表 手塚宏樹(てづかひろき)さん
平成16年に司法書士試験一発合格。司法書士法人勤務後、平成17年独立開業。現在は、東京都小平市で「遺産相続手続・不動産名義変更・遺言・生前贈与・金融機関の解約・戸籍謄本の収集代行・遺産分割協議書の作成」など相続手続きを中心に取り組む。戸籍を読むのが大好き!ヨット・ギター・小説が大好きな司法書士です。
運営WEBサイト『手塚司法書士事務所』
司法書士を選んだ理由は?
司法書士試験は一回で試験が終わり、独立しやすい資格ということで司法書士を選びました。
例えば、税理士試験は一年で全科目を合格できる人は、ほぼいないと思いますし、多くの受験生は、何年かに分けて合格を目指します。そのやり方が一般的というか、デフォルトだと思います。
弁護士なんかは、受験資格を得て、司法試験に合格した後、司法修習を1年、その後に考試(二回試験)があり、資格取得するまでが長いんです。
これらの資格と比較すると早く独立できるので、司法書士を選びました。
どうやって勉強したの?独学?スクール?通信講座?
TAC(Wセミナー)・伊藤塾の体験講座に参加して、TAC(Wセミナー)がなんとなくいいなと感じて、TACの「20ヶ月合格コース」に入学を決めました。
※TACの20ヶ月合格コースは、こちらの『TACの司法書士通信講座ってどう?評判や口コミ、費用をまとめました』ページを参照ください。
TACの司法書士講座へ入学した時の印象は?
最初は、司法書士という資格が、ここまでやばい資格だということを知りませんでした(笑)
結構、気軽に司法書士の勉強に取り組み始めた気がします。
TAC(Wセミナー)の講座が始まって、最初の頃は1回の講義で数ページしか進まなくて「もっと早く進んで欲しい、、、」なんて思っているくらい、講座始まっても最初は全然余裕でした。
でも、だんだんハードになってくるというか、量が多くなってくるので、昔勉強して記憶した内容を段々と忘れてしまうというか。
司法書士試験に向けての勉強法は?
合格率3%と言われる超難関試験の司法書士試験を合格するための勉強法をお聞きしました。
司法書士試験に向けての
勉強法とは?
司法書士勉強の仕方は?試験の大変なところ
この司法書士試験は、内容が難しいというよりも、講義を聞いて内容理解できて、その内容を覚えては忘れ、覚えては忘れ、、、というのを繰り返しやり続けなければいけないのが、大変です。
司法書士試験の内容が理解できない人は、早々に司法書士試験を辞めなければいけないと思いますが、、、。
司法書士試験は、全部で11科目(民法、不動産登記法、商法・会社法、商業登記法、民事訴訟法、民事執行法、民事保全法、司法書士法、供託法、刑法、憲法)あります。
司法書士試験の勉強を例えると、「皿回し芸」がありますよね?あの皿回しの芸を、皿が11枚を落ちないように同時に回しながら、やるような感じなんです。
だから、「講座内容を理解できるか?」というよりも、「暗記したものをいかに忘れないようにしていくのか?」というのが大変です。
ドイツのヘルマン・エビングハウスが研究した「忘却曲線」は有名な話です。彼の研究によれば、人間は勉強したあと20分後には42%のことを忘れ、1週間後には77%も忘れてしまうと言います。
自分の知識をどのくらい頭の中に記憶として残しておくことができるのか?完全に忘れる前に、また復習して記憶し直すという繰り返しです。
復習については、「バラード=ウィリアムズ現象」でも有名なように、暗記した直後より、勉強後2〜3日後に復習する方が記憶の定着率が高いという研究結果が出ています。
忘れた頃に復習することで「ああ、そうだった!」と、効率よく記憶に定着させることができます。
例えると、満杯に満たされたコップの水が蒸発して減ったところに、また新たに水を注ぐようなものですので、水はコップから溢れることなく、満たされるわけです。
なのですが、司法書士試験は11科目ありますので、さらに新しい内容をどんどん覚えていかなくてはなりません。
ですので、司法書士試験の勉強は、表面張力により、満杯になったコップの縁よりも水面が高くなってもこぼれないギリギリの状態に、さらにそのコップに水を注ぎ込んで、その水も溢さないようにする。
とにかくボリュームが多いというのが、この司法書士試験であり、司法書士試験の本質であるということに、早く気付かないといけないんですね。
司法書士試験に向けて勉強時間は?
当時は、TAC(Wセミナー)のスクールの自習室で勉強していました。気分によって、自宅やカフェなんかでも勉強環境は変えていました。
平均すると、毎日6〜10時間勉強していて、試験直前の追い込み時期は、12時間くらい勉強していましたけど、でもそれが限界でしたね。
20ヶ月コースの間で、おおよそ4800時間の勉強をしていた計算になります。
それ以上は、頭が朦朧として、脳に新しい情報を入れられない状態で、もう無理でした。もう何もできないという状態になっていましたね。
司法書士の勉強方法でおすすめは?
司法書士試験で合格するためには、「このトピックをいつ勉強したのか?」というのは、必ず記録しておかなくてはいけません。
例えば、このテーマを3月1日に勉強しました。次は1ヶ月後に復習します。という学習スケジュールがとても大事です。
司法書士試験で話を聞いて分からないとか、理解できないという問題はありません。法律問題は、そういうものだと理解して覚えるしかありませんので。
そして、私の勉強は、当時の担当講師に教わった方法で、特別な勉強ノートとかはなく、TAC(Wセミナー)で配布されたテキストや辞書の「六法」に直接、関連事項などを書き込んでいく勉強法です。
テキストや六法に書き込むと言っても、思い出した関連する単語や条文番号を書くだけの簡単なやり方でしたが、連想ゲームのように、「一つの事項から、どれだけ多くのことを思い出せるか?」という勉強法が、なるべく多くに意識が向くようになることで、知識の定着に繋がったように思います。
試験前の時期になってくると、頭の中で映像として「あそこには●●が書いてあったな〜」とか、思い出せるようになりますね。これは、司法書士試験に合格した人は、皆さん同じだと思います。
司法書士試験に向けて直前期の対策は?
とことん勉強して、その実力を発揮するために、どのような対策を行なっていたのかをお聞きしました。
司法書士試験に向けての
直前期の対策とは?
そこまで勉強やり込むと司法書士試験は合格できる?
やはり、司法書士試験の合格率3%というのは、結構な数字でして、徹底的に勉強やり込んでも、当日のコンディションなどによっても左右される感じはあります。
頭の中に映像で覚えているくらい、徹底的に勉強やり込んだ人たちの勝負ですので。
試験直前期の勉強で工夫したことは?
司法書士講座が始まったばかりの頃は、一問ごとに調べながら確認しながら進めていくので、一問解くのにもすごく時間がかかっていましたが、時期が進めば進むほど、一問解くのに時間がかからなくなってきます。
試験直前期は、問題をパッと見て、すぐに答えがわかりますので、どれだけ多くの問題を解くことができるか?どれだけ多くの問題を再確認できるか?という作業に変わってきます。
ですので試験直前期は、じっくり問題を解くという勉強は、やりませんでした。
試験前日の過ごし方は?
験担ぎで、カツ丼は食べましたね(笑)
試験前日は、いつもの体調で試験に臨めるように、一夜漬けとかせずに、早めに就寝しました。
司法書士試験は、一年に一回しか開催されないですが、TAC(Wセミナー)の20ヶ月コースで学んでいましたので、自分の本番試験前に一度、申し込みをして試験を受けることができました。
当然、受かることは出来なかったのですが、試験の雰囲気や場所など、事前に体験することができました。
それと、試験一ヶ月前から、毎週、本番当日と同じ生活をするため、毎週日曜日に試験時間に合わせて、本番当日と同じルートで同じ電車に乗って会場へ向かっていました。
最後の最後は、いつもの実力をいかに発揮できるか?という、イレギュラーを無くすというところが、合否の分かれ目ではないか?と思って、常に行動していました。
本番当日、試験会場横のトイレでみんなが順番待ちで並んでいたんですが、事前調査している私は誰もいない2階のトイレで済ませるという感じでしたので、多分誰よりも落ち着いて、いつも通りの状態で試験に臨むことができました。
司法書士の試験中はどうでした?
いつも通りの自分で落ち着いて臨みましたが、それでも高揚している自分がいました。
試験前に、予備校の模擬試験で、大体自分の実力は把握していましたので、自分の実力から言って「勝負はできる!」という状態だったと思います。
ヘマさえしなければ合格できる!というぼんやりとした自信はありましたので、試験中は注意していれば防げたはずのうっかり間違い「careless mistake(ケアレスミス)」が絶対に無いように意識していました。
それでも試験後は、「◯×式問題」と「実際に申請書類を手書きで書く」という問題があるんですが、書類を書く問題が試験後も「あそこはどうだったかな〜?」と気になってました。
試験当日の夜に、一緒に受講した予備校の講師が解答速報会をやってくれるのですが、その速報会での講師の回答を聞いて、少し合格への自信が出てきた感じです。
そこから、合格発表まで3ヶ月間もありますけどね。
合格発表は法務局に見に行きましたが、発表された結果を見て、もう受験勉強やらなくていいと思うと、ホッとしました(笑)
一発で合格するというのが、一番楽なんだと思いますね。
私が合格発表を待つ3ヶ月の期間、とある司法書士事務所で仕事をさせて頂いていたんですが、一年前に司法書士試験を合格した60歳くらいの方も修行していて、話を聞くと、その方は司法書士試験を「18年目で合格できた」と。
資格試験には、10年以上試験合格に向けて頑張っている方が、相当数いらっしゃいます。
司法書士の勉強について教えてください!
司法書士試験を合格するための勉強法についてお聞きしました。
司法書士試験に向けての
勉強について教えて!
【質問①】司法書士の勉強は独学か?スクールや通信講座か?
司法書士試験に向けて、独学はやめたほうがいいと思います。
独学は勉強効率が悪すぎるからです。
過去の出題傾向などを把握した上で、学習スケジュールを組んでくれるスクールや通信講座を利用して、勉強した方がいいと思います。
独学で10年間頑張るよりは、50万円前後の出費は痛いかもしれませんが、スクールや通信講座を使って1〜2年で合格した方が良いと思います。時間はお金では買えません。
【質問②】司法書士の勉強法のコツは?「スケジュール表」
スクールでは、各人勉強の復習は、自分でスケジュールして進めていかないといけませんので、いつ復習したか?というのが一目で把握できるよう「復習一覧表」を作って、勉強の手薄なところが出ないように復習を進めました。
例えば、「民法」であれば、細かく分けると100個くらいテーマがあるんですが、しばらく復習してないというテーマが出ないように、復習一覧表を使って、やったつもりの手薄なところが出ないようにしました。
復習してない期間が長くなってしまうと、思い出すまでに時間がかかってしまったり、忘れてしまうので、完全に記憶から忘れないうちに復習できるよう工夫しました。
司法書士の仕事の愉しいところ
司法書士として活躍される手塚さんに、司法書士の仕事の愉しいところをお聞きしました。
司法書士の仕事の
愉しいところは何?
”ちょっとややこしい案件”は面白い
私は、相続関係をメインに仕事していまして、ビジネス的には、簡単で利益率の高い案件を受ける方が儲かるとは思うんですが、ちょっとややこしい案件も依頼を頂きます。
やっぱりそういう、”ちょっとややこしい案件”は面白いですね。
簡単な案件というのは、依頼者のお話を聞かせて頂いて、書類作って印鑑頂いて、法務局に提出して終了するんですが、判子が簡単にもらえないような案件とかは、”ちょっとややこしい案件”の部類に入ってきますね。
相続でも話し合いがまだ付いてない状態でご依頼を頂いたりすると、これも”ちょっとややこしい案件”の部類ですね。
答えが一つではないコンサルティング的な仕事も愉しい
あとは、「不動産の名義変更」で種類作って終わりという依頼ではなくて、「どうすればいいでしょうかね?」という相談の場合、コンサルティング的な仕事になるわけです。その場合、司法書士だけで解決できないことも多々あるので、税理士さんなどに協力してもらったりする場合もあります。
そういう場合は、答えが一つじゃない場合もありますので、やりがいありますよね。
我々、司法書士は法律の決まり事の元で仕事をしているので、どの案件でもどの司法書士がやっても同じ結果になるんですが、コンサルティング的な仕事は色々な答えがありますので、ベストな答えを導き出すのは愉しいですね。
法律のルールの中で淡々とこなすのも愉しい
あと、法律というルールの中で、淡々と仕事をこなしていくのが好きな人は、楽しいと思います。
司法書士試験というのは、実務色がかなり強い試験だと言われているのですが、実際、試験で学んだことが実務で役に立つことが多いので、そういう意味でも面白いですね。
インタビューを受けてくれた方

手塚司法書士事務所 代表 手塚宏樹(てづかひろき)さん
平成16年に司法書士試験一発合格。司法書士法人勤務後、平成17年独立開業。現在は、東京都小平市で「遺産相続手続・不動産名義変更・遺言・生前贈与・金融機関の解約・戸籍謄本の収集代行・遺産分割協議書の作成」など相続手続きを中心に取り組む。戸籍を読むのが大好き!ヨット・ギター・小説が大好きな司法書士です。
運営WEBサイト『手塚司法書士事務所』