危険物取扱のプロフェッショナルである危険物取扱者資格を取得するには、毎日のように仕事の終わりに勉強時間を確保しなければなりません。
お仕事をしながら、危険物取扱者の勉強をしている人は、仕事以外の時間は、眠たい目をこすりながらを受験勉強を頑張っているのではないでしょうか?
そうやって苦労の末に取得する資格ですが、実際のところ危険物取扱者の求人ってどの程度あるのか?わからない部分もあると思いますので、今回は危険物取扱者の求人状況について徹底解説しました。
危険物取扱者資格を生かせる転職・求人はどんな仕事?
実際問題、具体的に危険物取扱者資格を活かした仕事(転職・求人)はあるのでしょうか?
実際のところはどうなのでしょうか?
危険物取扱者資格を活かせる仕事はある?

危険物取扱者は、消防法で「危険物」と定められている火災のリスクがある物質を取り扱うための国家資格です。
代表的な危険物取扱者資格を生かせる職場としては、ガソリンスタンドのイメージが強いですが、その資格を生かせる場所はガソリンスタンドだけではありません。
・タンクローリー
たとえば、消防法上の危険物(石油やアルコールなど)をタンクローリーで移送する場合、危険物の取り扱いに該当します。
危険物取扱者自身がドライバーを務める必要はないものの、企業としてはタンクローリーを運転できる危険物取扱者のほうが好ましいため、資格取得者は需要がある職場です。
・ビルの設備管理
また、ビルの設備管理の仕事は、重油などの危険物を取り扱う可能性があるので、危険物取扱者乙種4類の資格が生かせます。
不特定多数の人が利用する商業ビルやオフィスビルを安全に利用するためには、各種設備の整備や点検が欠かせません。
なお、その管理業務に就くために資格は必須ではないものの、危険物取扱者の資格を所有していれば強みとしてアピールでき、就職や転職時に有利に働きます。
・発電所の保安員
さらに、発電所の保安員も資格を生かせる代表的な職場です。
発電所の設備を点検し、異常が見つかった際には修理・補修を計画したり管理するその仕事にあたっては、危険物を取り扱うタイミングが必ずあります。
危険物に加えて電気主任技術者などの専門知識・スキルや技術を磨けば、より活躍の場を広げられます。
危険物取扱者(甲種)の求人はどんな仕事がある?

・ガソリンスタンドのスタッフやドライバー
危険物取扱者の中でも、すべての危険物の取り扱いや保守、点検、さらには保安管理を行う権限を与えられるのが甲種です。そのため、ほかの危険物取扱者以上に就ける仕事の種類が圧倒的に多いのが特徴です。
その分受験資格や試験難易度も高いものの、それでも取得する価値のある就職や転職において武器になる資格が危険物取扱者甲種と言えます。
具体的には、危険物取扱者が活躍できる代表的な職場とも言えるガソリンや灯油などを扱うスタンドのスタッフやドライバーとしての就職先は、少し探せばたくさんの求人が見つかります。
・化学薬品や化粧品向上の生産業務や管理業務など
また、甲種取得者であれば、化学薬品や化粧品向上の生産業務や管理業務など、より上の立場の仕事に就きやすいのも特徴です。
さらに、食品メーカーの品質管理業務や物流倉庫内のスタッフ、環境調査員、施設の設備メンテナンススタッフ、社会福祉施設の防災スタッフなど、さまざまな仕事に就けます。
しかも、就職後であっても、その資格取得によって特別手当がもらえることもあります。
さらに、危険物取扱者甲種を取得した上で6ヶ月以上の業務経験を積むと、危険物保安監督者の資格の取得も可能です。
これにより、さらに高収入が見込める責任のある職種を目指せます。
危険物取扱者(乙4類)の社員求人はどんな仕事がある?

・ガソリンスタンド
危険物取扱者の資格の中でも断トツで人気なのが乙4種です。これは、この乙4種のスキルや知識を持っている人材を求めている企業が多いためです。
なお、乙4種で取り扱える危険物はガソリン・灯油・軽油・重油などの引火性液体が占めています。
そして、これら危険物である引火性液体を製造・貯蔵・管理・活用する業務に携わるには、危険物取扱者乙4種の資格が必要です。
そのため、乙種4類の需要が最も高い職場としては、ガソリンスタンドがまずあげられます。これは、ガソリンスタンドでは軽油や重油、灯油などの貯蔵・管理が欠かせないためです。
ゆえ、なくても就職はできるものの、乙種4類の資格者は就職や転職にあたって優遇を受けられます。
・タンクローリーの運転手
また、消防法上の危険物(石油やアルコールなど)を輸送するタンクローリーの運転手としての仕事にも、乙種4類の資格が強みとなります。
運転そのものは自動車免許(大型免許や牽引免許)があればできるものの、燃料となる液体を運ぶため、乙種4類資格があると重宝されます。
・石油会社
さらに、石油を製造・管理するである石油会社への就職にあたっては必須ではないものの乙種4類資格の所有は武器になります。
そのほか、総合化学メーカーや電子材料メーカー、誘導品メーカーなど、化学関連の企業においてもその所有は強みとしてアピールでき、就職や転職のための一つの武器となります。
危険物取扱者資格の履歴書への書き方とは?

・危険物取扱者を履歴書に書く際の注意点①
危険物取扱者を履歴書に書く際には、日付欄に都道府県知事から免状を交付された日付を記載します。
この発行された交付年月日は免状に記載されています。履歴書に書く前に、確認するのがおすすめです。日付が確認できたら資格名と取得の旨を書きましょう。
なお、履歴書には、資格を正式名称で記入するのが常識とされています。
一般的な呼び名ではあるものの、「乙4類」などの略称で記載すると、せっかくの資格が採用側に悪い印象を与えてしまうリスクがあります。
たとえば、乙種4類であれば、日付とともに「乙種第4類危険物取扱者免状 取得」と書くようにしましょう。
・危険物取扱者を履歴書に書く際の注意点②
また、複数の資格を取得している場合の書き方には注意が必要です。
甲種の資格を所有している場合、すべての危険物が取り扱えるので乙種・丙種の取得の旨を記載する必要はありません。
甲種・乙種・丙種の全てを保有している場合は、「甲種危険物取扱者免状 取得」と書いておけば、持っているスキルを正確に採用側に伝えられます。
一方で、乙種・丙種のみを取得している場合、それぞれに取り扱える危険物が異なります。
取得した年月日が古いものから順番に書きましょう。ただ、乙種4類は丙種が取り扱える危険物を網羅しています。
乙種4類と丙種を所有している場合、乙種4類のことのみ記載すれば問題ありません。
危険物取扱者(甲乙丙)資格は、何歳から取得可能?

危険物取扱者の資格には、甲・乙・丙の3種類があります。そして、保有する資格が甲・乙・丙のどれかによって、取り扱いあるいは立会や管理できる危険物の種類が変わってきます。
このうち、乙種と丙種については、誰でも受験可能です。年齢不問・経験不問で、興味がある人はすぐにでも受験することができる間口の広い資格となっています。実際に、小学生などが合格しているケースもあるほどです。
一方で、危険物取扱者の中で最も難易度が高く、取り扱える危険物の範囲が広い甲については、条件を満たさなければ受験することができません。ただ、年齢制限はなく、下記要項のいずれかひとつを満たせば受験可能です。
- 大学などを化学に関する学科を修めた上で卒業している
- 大学などで15単位以上科学に関する単位を取得した上で修了している
- 乙種危険物取扱者免状交付後、2年以上の実務経験がある
- 次のうち4種類以上の乙種危険物取扱者の免状を所有している(第1類または第6類/第2類または第4類/第3類/第5類)
- 化学に関する学科や課程の修士・博士の学位を所有している
このように厳しい条件が課されてはいるものの、年齢制限がない甲種についても、高校生で取得している人もいます。