中小企業の経営課題に対応するための診断・助言を行う国から認められた経営コンサルタントとして人気の「中小企業診断士」講座。中小企業診断士として転職を目指す方にとって、必要な資格です。しかし、、、
- 「まとまった時間を勉強になかなか使えない。勉強不足だ、、、」
- 「もう失敗は許されないという空気がプレッシャー、、、」
このような不安を抱えている方が、講座を受けようと思った時、心配なのは「私でもできるのか?」ということではないでしょうか?
この記事では「中小企業診断士」の合格率や試験難易度や独学可能か?ついてご紹介します。
この記事の目次
中小企業診断士試験の合格率ってどのくらい?
中小企業診断士。その仕事は、クライアントからの依頼を受け、中小企業の経営課題に対応するための診断・助言を行います。その中小企業診断士の合格率を見て見ましょう。
「中小企業診断士」試験合格率の推移
中小企業診断士の試験は、1次試験と2次試験の二つに分かれています。
1次試験の合格率は、2010年代は15パーセントから25パーセントの間を推移していましたが、2019年には30.2%、2020年には42.5パーセントと、高水準で推移しています。
ただし、中小企業診断士は1次試験の科目が7科目と多く、受験しようと試験に申し込みをして受験料を支払ったにも関わらず、学習を進めることができずに受験を諦めてしまう人が3割程度います。
合格率はもちろん、受験を実際にした人の中から計算した数字なので、試験に申し込んだ人数で考えれば、合格率はもっと下がることになります。
2次試験の場合は、常に20パーセント弱あたりの数字で推移しており、最新の2020年には18.4パーセントでした。
「中小企業診断士」の試験難易度は?
中小企業診断士試験は、偏差値66~67程度と言われています。国家試験の中では、国家公務員(総合)、公認会計士、司法書士らに次ぐ難関レベルと言われる程の難関試験です。
偏差値とは違う角度で、合格に必要とされる「学習時間」の長さから難易度を見てましょう。
| 【資格名】 | 【合格に必要とされる学習時間】 |
| 公認会計士 | 3,500時間 |
| 司法書士 | 3,000時間 |
| 税理士 | 3,000時間 |
| ★中小企業診断士 | 1,000時間 |
| 社会保険労務士(社労士) | 1,000時間 |
| 行政書士 | 600~1,000時間 |
| FP1級 | 600時間 |
| 宅地建物取引士(宅建士) | 300~400時間 |
この合格に必要な学習時間の長さを見ると、中小企業診断士試験の難易度が違った視点で理解できるのではないでしょうか。
「中小企業診断士」の合格基準点
中小企業診断士の試験に合格するための基準は2つあり、一つは、総合得点が満点の6割以上の得点数であることです。
そして二つ目は、全ての科目が満点の4割以上を取れていることです。
試験では各科目の6割は基礎問題が出されるのが一般的ですので、基礎をしっかりと勉強し落とさなければ、問題なく合格することができる試験となっています。
また、科目別の受験も可能で、7科目の内1科目だけ4割以下になってしまい不合格になった場合には、翌年の試験の際に合格ラインに届いている科目は昨年の成績を使い、合格ラインに届かなかった科目だけを受けなおすということもできます。
「中小企業診断士」の試験の日程・内容は?
それでは次に、中小企業診断士試験の日程や詳細に関して見てみましょう。
「中小企業診断士」試験は年に何回?
中小企業診断士の試験は年に1回開催されています。
1次試験は毎年8月上旬の土日に、2次試験は毎年筆記試験が10月中旬の日曜日に、口述試験が毎年12月上旬に行われます。
1次試験の願書受付が5月下旬~6月上旬、2次試験の願書受付が9月上旬~9月中旬となっていますので、受験を考えている場合には、願書提出を忘れないようにしましょう。
「中小企業診断士」の受験資格は?誰でも受験できる?
中小企業診断士の試験には、受験資格は特にありません。そのため、年齢・学歴・職歴に関係なく、誰でも試験を受けることができます。
ただし、1次試験では、受験をするまでの職歴や保有している資格によっては、特定の科目の試験が免除になることもあります。
2次試験受験資格は、1次試験を合格していることです。1次試験の合格は2年間有効であるため、例えば令和3年に1次試験に合格した場合は、令和3年の2次試験と令和4年の2次試験を受けることができます。
「中小企業診断士」の試験内容
中小企業診断士の1次試験は、7科目のマークテストで、科目は「経済学・経済政策」「財務・会計」「企業経営理論」「運営管理」「経営法務」「経営情報システム」「中小企業経営・中小企業政策」です。
試験自体は、中小企業診断士の資格を持つのに必要な知識を持っているかどうかを試されます。
2次試験は筆記と口述に分かれていて、筆記試験は4科目で、各科目150~200文字程度の記述式の問題。口述試験は2次試験の筆記試験の内容を元に、4~5問出題されます。
内容はどちらも、中小企業の診断や助言に関する実務の事例を用いながら実際に適切な助言を行うことができるかどうかが試されます。
「中小企業診断士」の試験時間
中小企業診断士の試験時間は、1次試験が「経済学・経済政策」「財務・会計」「経営法務」「経営情報システム」の4科目が試験時間60分間、「企業経営理論」「運営管理」「中小企業経営・中小企業政策」の3科目が試験時間90分間で行われます。
試験は二日間に分けて行われ、「経済学・経済政策」「財務・会計」「企業経営理論」「運営管理」の4科目が1日目、「経営法務」「経営情報システム」「中小企業経営・中小企業政策」の3科目が2日目に行われます。
2次試験の筆記試験4科目は、全て試験時間80分で行われます。2次試験の口述試験は、面接時間役10分程度と短めになっています。
「中小企業診断士」は独学で合格できる?
中小企業診断士試験は、国家試験の中でも独学での合格が非常に難しいと言われている試験ですが、合格者の中には独学で学習したという方がいることも事実です。
「中小企業診断士」の独学におススメのテキスト・参考書
中小企業診断士の試験は、試験範囲が広いため、効率的に学習を進める必要があります。
通信講座等を利用する場合にはカリキュラムが組まれていますが、独学で学習する場合には、頻出度や難易度を見極め、得点を取りやすい科目を優先的に勉強し得点アップにつなげる必要があります。
そのうえで、1次試験を突破する際にお勧めのテキストの1つ目が、資格取得の通信講座も開講しているTACが作成している「中小企業診断士 最速合格のためのスピードテキスト」です。
通信講座でも使用されているテキストで、実際の受講生からも解説の解り易さにも定評があります。また、テキスト内でそれぞれ優先順位が付けられているため、効率的に学習を進めることが可能です。
もう一つ、1次試験を突破するうえでお勧めテキストが、野網 美帆子さん著の「一発合格まとめシート」です。
このテキストは、実際に中小企業診断士の試験に一発合格を果たした野網さんが、試験前に自身が作っていたノートをテキスト化したものです。図表をたくさん使用しながらも1論点が1ページ内にまとめられており、視覚的に覚えやすくなっています。
次に、2次試験におすすめのテキストも紹介します。
2次試験は記述式と口述式の問題で、1次試験で問われた知識を前提にして、自分の言葉で課題解決策を記載する必要があります。そのため、合格者が回答を導いたプロセスが余すところなく解説されているテキストを選ぶ必要があります。
おすすめは、関山春紀さん・川口紀裕さん著の「中小企業診断士2次試験合格者の中にあった全ノウハウ」です。
こちらは、実際に2次試験を受けて合格した人たちが、回答を導き出した思考を同じように順番に追うことができるようになっており、
読み込むことで、回答を導くためのプロセスを自分の中に落とし込むことができます。
「中小企業診断士」試験を合格するまでの勉強時間は?
中小企業診断士の試験は科目が多く、勉強に必要な時間はおおよそ1000時間と言われています。
仮に1年間で中小企業診断士の試験合格を目指す場合、平日に1日2~3時間、休日に1日5~8時間程度勉強する必要がある計算になります。
ただし、こちらはあくまで目安となります。現在ついている職業によっては重点を置いて勉強しなくて良い科目がある方もいますし、資格取得の勉強そのものが初めてという場合には、もっと学習時間の確保が必要になることもあります。
1000時間という学習時間は、少ししり込みしてしまう数字かもしれません。
実際、中小企業診断士の試験は独学で突破できない試験ではありませんが、受験を途中で諦めてしまう人が3割程いるくらいモチベーションの維持が難しい試験です。
中小企業診断士の勉強をしたいけれど、独学では難しそう、でも忙しくて資格スクールに通う暇はない、という方には通信講座がお勧めです。
通信講座で中小企業診断士の試験講座を開いている会社は数多くあり、どこの会社もスキマ時間を利用した学習法等、忙しい社会人の方でもやり遂げられる工夫が随所にちりばめられています。
1000時間という学習時間を有効に使うためにも、試験傾向を熟知した通信講座を利用してみてはいかがでしょう?
