社会保険労務士の年収・給料はどのくらい?

社会保険労務士の年収・給料はどのくらい?

労働法や社会保険に精通した法律の専門家として人気の「社会保険労務士(社労士)」ですが、実際の年収や給料が、どのくらいかご存知でしょうか?

毎日、日々の仕事をこなしながら、社会保険労務士の勉強をしている人は、仕事以外の時間は、ほぼほぼ全ての時間を受験勉強に時間を注いでいるのではないでしょうか?

そうやって苦労の末に取得する合格率6%という難関資格ですが、実際のところ社会保険労務士の「年収・給料ってどの程度なのか?」わからない部分もあると思いますので、年収や給料について徹底解説しました。

社会保険労務士の年収や給料って現実はどうなの?

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社会保険労務士の年収や給料って、実際どのくらいなんだろう?

転職や独立を考えると、知っておきたいポイントですよね!

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では、実際の社会保険労務士(社労士)の年収や給料が、どの程度なのかを見てみましょう。

社会保険労務士の平均年収や給料はどのくらい?

・社会保険労務士の平均年収は?

社会保険労務士の年収は、一つの目安として300~600万円と言われますが、他の多くの職種と比較しても平均的な年収といえるでしょう。

ただし、あくまで目安ということに注目する必要があります。

厚生労働省の「令和元年賃金構造基本統計調査」では、勤務している社会保険労務士の年収は、男性の勤務社労士は年収512万円、女性の勤務社労士は年収434万円となっています。

また、勤続年数が上がるとその平均年収は高まり、60代で勤務している社会保険労務士の年収は800万円以上となっていますが、中堅企業に勤務する正社員と同じ水準の給与です。

・実際は「企業勤務」と「事務所独立」では全く違う

実際は、このように行かないケースも少なくありません。

それは、そもそも勤務している社会保険労務士がそこまで多くないこと、地域差が激しいことが挙げられます。

社会保険労務士は、独立を前提としている職業ですので、企業に定年退職するまで勤務している社会保険労務士はそこまでいません。

いるとすれば、社会保険労務士の事務所ではなく、主に一般企業へ勤務している方ですので、この年収が完全に社会保険労務士の年収と一致するわけではありません。

・「地域差」が激しい職業

次に「地域差」が激しい職業でもあり、地方に行くほど企業も少なく、場合によっては東京の親会社の社会保険労務士が入っていることも珍しくありません。

そのため、都市部は競争が激しいものの、仕事も多くあって収入が期待できますが、地方は競争が少ない代わりに仕事もないのです。

こういった背景から、都市部は社会保険労務士の年収よりも高い可能性があり、地方の場合はその逆に低い可能性もあります。

このように、企業に勤務している社会保険労務士の年収は分かっていますが、独立した場合や地方、あるいは都市部で社会保険労務士として活躍している場合は、このようにはなりません。

つまり、勤務地や独立後の頑張り次第で、社会保険労務士の年収が一気に変化するので、あくまで一つの数字としてこれらの金額を捉えておくことが重要です。

社会保険労務士事務所を独立すると年収は増える?

・社会保険労務士の年収は独立したら増えるのか?

社会保険労務士の年収は独立したら増える可能性は十分にありますが、その反対に年収が減るケースも十分考えられます。

確かに独立した社会保険労務士の場合、年収が1,000万円以上の方も少なくありません。

しかし、独立開業した場合の年収は個人差が大きく、独立したばかりの社会保険労務士の年収は100万円程度になってしまうことも珍しくありません。

・独立開業の鍵は「営業力」

決まった金額がお給料として支払われる勤務社会保険労務士と異なり、独立開業した社会保険労務士は自分で営業して新規顧客の開拓をしていかないと収入が得られないのが特徴です。

そのため、多くのケースでは企業や社会保険労務士事務所に勤務して経験を積んでから独立する形を取ります。

そして新規顧客を開拓し、さらに信頼を積み重ねていく必要があるため、顧客と売上げが増えるまでは年収も伸びにくいのです。

・顧客からの信頼を得られると報酬は増えていく

独立すると、こういった形の社会保険労務士になりますが、顧客から十分な信頼を勝ち取り、契約数を増やすことによって年収はどんどん上がる魅力もあります。

安定した収入の勤務社会保険労務士と、大きな収入が期待できる独立社会保険労務士が両者の年収の違いです。

独立すると個人差が大きくなるため、あらかじめ自分がどう働きたいかというビジョンもしっかり見据えておきましょう。

社会保険労務士の未経験での独立はどう?

・社会保険労務士の未経験の独立は「事実上困難」

社会保険労務士の未経験の独立は可能なものの、事実上困難です。

社会保険労務士として独立するには、簡単に言えば資格を取得していることと、その後2年以上の実務経験が必要とされているからです。

つまり、免許を取得したら最低2年はどこかで働いて実務経験しないと独立できません。

・「事務指定講習」の履修を受ければ独立は可能

ただ、これは基本的なルールでありますが、「事務指定講習」の履修を受ければ「2年以上の実務経験」に代わる資格要件を満たすことになり、社会保険労務士として独立が可能になります。

・「事務指定講習」とは何か?

この事務指定講習は、主に4か月間の通信教育と4日間のeラーニング講習、または面接指導課程が組み合わされたもので、学習内容は、労働関連諸法と請求手続きによるもので、添削指導や研究課題の報告などが盛り込まれています。

ちなみに受講料は2022年現在、税込みで77,000円となっており、通信教育としてはかなり安価に受講できる講習です。

この講習を受ければ独立はできますが、講習の内容を確認すると必ずしも実務に直結した内容ではないため、「実際に独立しても円滑な業務が行えるか、、、?」という疑問は残ります。

このように制度上は未経験でも独立できるものの、講習会を受けて開業資格を得ても、独立後の営業が上手くいかず、経営困難に陥るケースは少なくありません。

社会保険労務士で独立したら食えないのか?

・独立して最も困ることは「新規開拓」

社会保険労務士で基本的に食べていくことは可能ですが、独立後に営業活動が上手くいかず、新規顧客が獲得できないと事務所を継続して経営することは困難を伴います。

・独立で上手くいっている人は何をしているのか?

また、独立している方で高額な年収を得ている方の中には、社会保険労務士の資格だけでなく、公認会計士など他の資格とダブルライセンスをしているケースも少なくありません。

例えば、社会保険労務士と公認会計士の2つの資格を保持していることで、労働関係の帳簿作成だけでなく、監査や税務の支援も可能となり、サービス提供の幅が広がります。

そのため、依頼する企業としては、複数のライセンス保持者に依頼する必要がなく、1人で円滑に企業を管理してもらえることが可能となるので、依頼されやすくなります。

・独立で食べていくには「営業力」や「差別化」が鍵

このように独立によって食べていけなくなるケースも否定できませんが、複数の資格を持っているダブルライセンスだったり、営業力があり新規顧客を十分獲得できれば食べていける仕事といえるでしょう。

いずれにしても独立した場合は、顧客の数次第でその後が大きく変わっていくことは確かです。

社会保険労務士の報酬や顧問料は?

独立するにあたって気になるのが、社会保険労務士の報酬や顧問料についてですが、基本的には「顧問料・各種書類作成・コンサルティング」3種類の報酬が社会保険労務士の収入になります。

簡単にまとめると次の相場が報酬や顧問料です。

社会保険労務士の報酬

●【書類作成関連】:3万円~15万円

これは規則作成などの業務で、最も手間がかかる就業規則作成は、内容によって10万円以上の報酬が期待できます。また、規則修正も数万円程度の報酬が得られます。各種保険関係の書類に関しては1件当たり1万円程度の報酬が期待できます。

●【助成金申請:申請額の20%前後

これは労働関連の助成金の申請業務で、金額によっては非常に多くの報酬が得られます。

●【基本顧問料】:1万円以上(顧客企業の規模による、30名以上は4万円以上の顧問料が期待できる)

労災保険・雇用保険・社会保険などの手続き代行といった基本的な手続きを一括で行う場合に得られる報酬です。

●【労務系のコンサルティング顧問料】:3~10万円

労務管理・労働時間短縮、就業規則、賃金規定、さらには登記、許認可、給与計算といったコンサルティングの報酬です。
基本顧問料にプラスして請求することもあります。

これらはあくまで一例ですが、内容によって費用を上げることも可能です。

社会保険労務士資格があれば副業で開業してもいいの?

・社労士資格があれば、副業でも開業できる?

社会保険労務士の資格があれば、副業で開業することも可能ですので、副業で社会保険労務士の事務所を開設し、活動しても問題ありません。

ただし、登録に必要な実務経験あるいは、先ほど紹介した「事務指定講習」を受けない場合、実務を行えないので注意しましょう。

・時間の圧迫リスクには注意

ただ、社会保険労務士は副業でできるほど短時間でできない業務も多く、副業のつもりが本業を大きく圧迫するケースもあります。

クライアントが知り合いの会社一社程度であればこなせる範囲の業務かもしれませんが、それ以上クライアントが増える場合は非常に激務になってしまい、業務をこなせないことが予想されます。

副業で開業する場合は、きちんと開業登録し、「事務指定講習」を受講した上で、まずは小さく始めるのがおすすめです。