社会保険労務士

社会保険労務士の求人って少ないの?

2022-01-13

労働法や社会保険に精通した法律の専門家として人気の「社会保険労務士(社労士)」ですが、合格率が6%ほどと低く、資格取得までとても大変な資格です。

試験勉強は難しいですし、合格するためには勉強時間も確保しなければなりません。

お仕事をしながら勉強をしている人は、仕事以外の時間は、ほぼほぼ全ての時間を試験勉強に注いでいるのではないでしょうか?

そうやって苦労の末に取得する社会保険労務士の国家資格ですが、実際のところ「求人ってどの程度あるのか?」わからない部分もあると思いますので、今回は社労士の求人状況について徹底解説しました。

社会保険労務士は求人は少ないの?

本当に社労士の求人って少ないの?

頑張って勉強するんだから仕事ないと困るな、、、

「労働法や社会保険に精通した法律の専門家」である社会保険労務士ですが、こんなにも難しい知識が必要であるにも関わらず、試験合格しても就職は少ないという印象があると思われています。

実際のところはどうなのでしょうか?

社会保険労務士の求人状況は?

・社会保険労務士の求人は多くはない

その理由として、社会保険労務士事務所の求人が少ない、社会保険労務士自体が増加しているといったことが挙げられます。

そもそも社会保険労務士事務所の求人は、全国に1,934法人と、そこまで多くなく、社員が一人の社労士法人は 767法人といった状況です。※(2020年3月31日現在)

特に地方に行けば行くほど、その求人数は少ない傾向にあり、地域によっては求人が全く無いといった場合も見られるのです

これは、社会保険労務士単独でも事務所を運営できることや社会保険労務士事務所の一般的な事務仕事は、社会保険労務士をわざわざ雇う必要がないということが挙げられます。

こういったケースが多いので、社会保険労務士の求人は少なく感じられるのです。

しかし、一般企業まで視野を広げると労務関連の業務を内製化したい企業は意外に多くあるのも事実です。

そういったところまで視野を広げると求人数は極端に少ないということはありません。

・毎年増え続ける社会保険労務士

社会保険労務士の増加も求人数が相対的に少なく感じる原因です。

毎年2,000人近くの社会保険労務士が全国で増えており、これらの人々を受け入れるだけの受け皿が存在しません。

毎年、社会保険労務士を雇い入れる事務所や企業があるわけではないため、結局社会保険労務士の資格を取得しても就職できないといった現象が起こってしまいます。

・社会保険労務士の「合格率の低さ」や「認知度の低さ」が原因?

このように社会保険労務士の求人は少ないのが現実です。

ただ、ネットを見ると社会保険労務士の試験に落ちた方が書き込んでいるといったケースや社会保険労務士としてではなく労務知識のある一般職という求人であればそこまで少なくはないといった状況が見えてきます。

社会保険労務士試験は、合格率6%〜8%と、ほとんどの人が不合格になる難関資格で、不合格になってしまった人が否定的な意見を書き込むことが少なくありません。

こういった意見よりは、実際社会保険労務士の求人があるのは事実です。

また、社会保険労務士の仕事自体あまり知名度がありませんので、企業でも理解している方が想像以上に少なく、労務に強い人を採用したいというケースが意外に多く見られます。

そう言った一般職の採用でも社会保険労務士資格を持ち、労務に強い人材ということをアピールすれば、社会保険労務士の仕事を企業で活かすことも可能です。

社会保険労務士、未経験の求人は?

・未経験の社労士では求人は少ない

社会保険労務士の未経験の求人も少ない印象があります。

社会保険労務士はよりも様々な事例を経験して、適切に処理してきた実務能力が評価される職業です。

そのため、経験者で実務経験がある、いわゆる即戦力人材が求められていますので、未経験の求人は社会保険労務士の求人数の少なさに輪をかけて少ないといった印象があるのです。

・前職で培った知識や実務能力があればチャンスはある

ただ、社会保険労務士の中には前職のある方も多く、前職で培った知識や実務能力と社会保険労務士の資格を組み合わせて評価する企業であれば、積極的に未経験の方でも採用してくれるでしょう。

また、企業によっては資格と実務経験の有無を分離して考えているところも意外に少なくありません。

学校を卒業と同時に社会保険労務士の資格を取得した場合は、一般職として就職し、その後労務畑で活躍するといった生き方もできます。

そして、独立できそうなタイミングが来たら、独立するといった形で就職する手もあります。

社会保険労務士の50代60代の求人ってどう?

・実際問題、50代60代の社労士求人ってどうなの?

社会保険労務士の50代60代といった人の求人は、ほとんどないといっても過言ではありません。

ただ、完全にゼロというわけではなく、短期間の勤務と独立を前提としたアルバイトのような働き方で経験を積むといったことは可能です。

また、前職の経験を生かして一般企業に中途採用されるといったルートから労務関連で活躍する方法もあります。
こういった働き方で社会保険労務士として活躍するということは十分可能です。

・お客さまを持っているとチャンスはある

ただ、一般的にイメージしている社会保険労務士を50代や60代で取得し、どこかで勤務して定年まで勤めるといったルートは難しいと考えましょう。

あくまで、近い将来の独立を目指す形か、社会保険労務士の資格がやや重視される中途採用といった形で考えていることが重要です。

これまでの話の流れから、あまり就職ができないような印象を与えてしまいますが、決してそう言ったことはなく、考え方を変えることで十分就職できる年代です。

社会保険労務士の転職は有利?

・社会保険労務士の資格は転職で有利に評価される?

「社会保険労務士の資格は転職で評価されるのか?」といえば、比較的有利なのは間違いありません。

その理由として転職先の間口が広がる、明確な労務知識の証明ができるといった点です。

まず、社会保険労務士の資格を持つことで、一般社員の経験しかない方でも勤務先の間口が広がります。

・社労士事務所や会計事務所などへの応募できる

主なものとして、社会保険労務士事務所の求人や会計事務所の求人にも応募できるようになります。

社会保険労務士事務所は、先ほどから触れてきた社会保険労務士による事業所、法人のことです。

ここでは一般的な事務知識のある社員を雇用するよりも、より自社の分野の知識を持つ社会保険労務士を募集する傾向があります。

確かに小規模なところでは、一般事務員をアルバイトで雇用することはありますが、法人化された中堅以上の社会保険労務士事務所の場合は、社会保険労務士の資格取得者も募集しています。

次に、会計事務所も社会保険労務士を募集しており、そこにも求人できるようになります。

なぜなら、社会保険労務士の仕事は、会計事務所の業務とつながっている部分も多く、会計事務所側からすれば顧客企業に、より豊富な業務の提案もできるようになるため募集をしているのです。

このほか、一般企業の人事労務系の社員を募集している環境でも、即戦力として転職が有利になります。

・労務知識の証明ができる!

次に、明確な労務知識の証明ができるところも転職に強い理由です。

転職面接で、「労務畑を歩んできました」とアピールをしても、本当に労務畑を歩んできたのか証明が難しいのが現実です。

場合によっては、ほとんど前職の企業と契約している社会保険労務士が実務を行っていて、社会保険労務士の接待や雑務程度しかしていなかったという可能性すらあるのです。

しかし、社会保険労務士の資格を持っていたとすれば、企業に求められる高い労務管理の知識があるという証明になるため、企業も安心して労務関連の社員として雇用できるようになります。

さらにこれらに合わせてファイナンシャルプランナー(FP)や行政書士などの資格も持っておくと、自分にできることが増やせるので雇いやすい印象を与えます。

また、海外企業とかかわりの強い企業であれば、社会保険労務士に関連した英語スキルなども持っておくと有利です。

社会保険労務士は就職難なの?

・社労士は本当に就職難なの?

社会保険労務士”単独”で見た場合、就職難なのは否めません。

ただ、これは今に始まったことではないので決して急激に悪化しているというわけではないのです。

それでも、直接の就職口が少ない、毎年平均して2000人以上の合格者が多く出ている等、不利な点はあります。

直接の就職口が少ないのは、先ほど触れたとおり社会保険労務士事務所の求人が少ないことが挙げられます。

また、毎年2000人以上の合格者が出ていることも確かですが、企業数が極端に減らない限り仕事がなくなることはなく、不況にも強い業種であることに変わりません。

こういったことから、確かに社会保険労務士の就職難はあるものの、今後極端に悪化することはないということは確かです。

社会保険労務士の、今後の需要は?

・企業がある限り存在する仕事がある社会保険労務士

社会保険労務士の今後の需要は十分にあります。

その理由として、企業がある限り存在する仕事であること、労使の関係は永遠の課題であることです。

社会保険労務士の仕事は企業が存在する限り必要で、例え企業が自社で労務管理を行おうとしたとしても、社会保険労務士のような専門知識の社員は必ず求められます。

・永遠の課題である労使の関係

次に、労使の関係は永遠の課題であり、どんなに理想的な考えに沿った労使関係になったとしても、必ずどこかでほころびが出ます。

そんなほころびを逐次直して維持するのも社会保険労務士の仕事であり、そう言ったことは永久になくなることはありません。

こういった点から、極端な需要増はないものの、決してなくなることはないというのが社会保険労務士です。

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