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司法書士試験合格のために予備校や通信講座を選ぶ判断材料として、「講座費用・講座受講生の合格率」を重要視する人が一般的に最も多いと思います。
でも、予備校や講座選びの選択肢は、その二択だけでいいのでしょうか?
もう一つの重要な選択肢は、「講師選び」。
選択肢の中に「講師」を最も重要な選択基準としている受講生も間違いなくいます。司法書士の予備校や通信講座には、業界で有名な講師が多数存在します。人気の有名講師には、人気になる理由が必ずあるわけです。
ただ、これは実際に受講してみないと分からない部分がたくさんありますが、各講座のホームページに無料体験講義の動画が掲載されていますので、その動画をもとに、司法書士予備校の講師たちを比較してみたいと思います。
この記事の目次
司法書士の予備校や通信講座を講師で選ぶのはあり?
司法書士試験合格のために、予備校や通信講座を「講師を基準に選ぶ」という選択もあるべきだと思います。私は、重視すべき重要な基準だと思っています。
先ほども言いましたが、人気講師は受講生(市場)が決めるべきもので、予備校や通信講座がいくら推しても、講師自身の実力が伴わなければ人気講師になることはできません。
人気講師になるには、「合格」という目に見える実績が必要です。
合格率や合格者数など、合格という実績を残し続けることで、その評判が評判を呼び、多くの受講生が集まり、さらに合格者が増えていく、、、という良い循環が雪だるま式に大きくなって人気講師となっていくのです。
ただ、間違えてはいけないのが「有名でない=実力がない」ではありません。優秀な講師は人気有名講師だけではありません。あまり目立たないけど、実はとても優秀という講師もたくさんいます。
講師との相性はとても重要!事前に確認するべき
ただし、注意しておかなくてはいけないのが、いくら人気講師だと言っても、あなたにその講師の講義が合うかどうかは分かりません。
その講師の人気と、あなたとの相性は全くの別問題で、いくら人気の講師でも、あなたには全く合わないという場合もあり得ます。
また、司法書士講座となれば、一年以上もの間、予備校や通信講座などで学ばなければなりませんが、もし運悪く相性が合わない講師に当たってしまうと、もう地獄です。
ですので、そんな地獄を味合わなくていいように、事前に各予備校や通信講座のホームページに体験講義が掲載されていますので、実際の講義の様子を確認してほしいと思います。
注意しておきたいのは、インターネット上に転がっている講師の口コミ評判の声には「◯◯講師の講義は分かりやすい!」という声もあれば、「◯◯講師の講義は分かりにくい、、、」という声も当然ながらあります。口コミ評判を参考にするべきですが、あくまで参考程度に。
司法書士予備校・通信講座の講師ランキング一覧
個人的な主観で、各司法書士の予備校や通信講座の講師一覧表を作りましたのでご確認ください。1校に複数の人気講師がいる場合もありますが、基本1校1講師でご紹介していくことにします。
| 校名 | 講師名 | 内容 | 話し方 | 映像 | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|
| LEC | 海野講師 | ◎ | ○ | ○ | 7点 |
| アガルート | 浅野講師 | ○ | ○ | ○ | 6点 |
| 伊藤塾 | 山村講師 | ◎ | ○ | ◎ | 8点 |
| スタディング | 山田講師 | ◎ | ○ | ◎ | 8点 |
司法書士予備校・通信講座の講師の講義ってどうなの?
実際に司法書士の予備校や通信講座が提供している無料版の講義動画を視聴した感想を掲載していきます。
このような講座は「講師の権威で成立する」という構造のため、独善的になりがちですが、受講生の理解を深めるために、動画講義にどのような工夫が見られるでしょうか?
あくまでも私の主観ですので、あなたの感覚と合うか分かりませんが、ぜひ参考にして見てください。
LEC司法書士講座:海野禎子講師

●プロフィール
「一発合格の女神」と言われる海野講師は講師暦20年以上。慶應義塾大学文学部卒で、1996年に初めて司法書士試験を受験し一発合格。合格後、司法書士事務所及び一般企業の法務部勤務を経て、1999年から講師に。2006年には講師業の傍ら法科大学院に入学、2008年に全課程修了されています。
LECの海野講師の体験講座
LECの海野講師は、「相続人は誰?」という7分13秒の講義動画を試聴しての感想です。
①【内容について】伝えようとする内容が明確だったか?
司法書士について初めて学ぶ法律初学者や、あまり勉強に自信がないといった人でも、できる限り簡単に理解ができるように、適宜わかりやすいイラストを挿入するなどといった工夫がされており、教科書を別途用意しなくても内容を十分に理解することができます。
法律初学者の高校生でもしっかりと理解ができるほど噛み砕かれた内容であるため、複雑に考えられがちな相続の問題も容易に理解が可能となります。
具体的な事例を用いて説明しているため、相続を実際に経験したことのない人でも納得・理解することができます。
期間や注意点といった重要なポイントを説明しつつ、試験に出やすいポイントも強調して伝えてくれているため、試験を今後に控えている生徒にとって有益な講義動画になります。
②【話し方について】声の大きさや話すスピードは適切か?
普通こういった映像授業の場合音声が途切れてしまっていたり、声が小さかったり、または音質が非常に悪かったりといったトラブルが見受けられるのですが、この海野講師の講義はそういったデメリットを全く感じることはありません。
ハキハキと抑揚をつけた話し方はとても聞き取りやすく、またあえて重要なポイントとなるような項目を話す際には声を大きく、また話すスピードをゆっくりに調整してくれたので、ラジオ感覚でこの講義を聞くといった活用方法も考えられるなと思います。
学校の教師の淡々とした眠くなるような話し方とは打って違って、演説のような話し方で、ハキハキと堂々とした姿はとても魅力的なように感じました。
話すスピードもとてもちょうど良いため、どんな人でも聞きやすいと思います。
③【映像について】黒板の板書は見やすいか?理解しやすいか?どんな工夫がされているか?
板書にはさまざまな工夫がされており、かなり見やすいと感じます。
イラストを挿入することによって、複雑に考えられがちな相続分割の問題をわかりやすく解説がされていたので、講義を聞く受講生も無理なく理解をすることができるのではないかと思いました。
一部、相続分の「法定相続人と法定相続分」の数字が続いたところは難解に感じてしまいましたが、それでもわかりやすい説明とともに噛み砕いて解説されていたので、ただ闇雲に教科書を読むよりもしっかりとした理解をすることができたと感じています。
デメリットとしては、しょうがないかもしれませんが数字が続いてしまう場所があるといったことです。
なかなか理解をするのに時間がかかってしまうような場所だと思うので、語呂合わせやイラストをさらに活用すればわかりやすくなると思いました。とはいえ全体的にみやすい黒板だったので良かったと思います。
LEC 司法書士試験対策講座
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アガルート司法書士講座:浅野勇貴講師

●≪プロフィール≫「浅野勇貴講師」は、東京理科大学大学院終了後に民放テレビ局勤務を経て司法書士試験に合格した異色の経歴の持ち主で、現在は群馬司法書士会常任理事や群馬司法書士政治連盟副会長などの役職にも就いています。
アガルートの浅野講師の体験講座
アガルートの浅野講師は、「【司法書士試験】入門総合講義 サンプル講義」という35分5秒の講義動画を試聴しての感想です。
①【内容について】伝えようとする内容が明確だったか?
たとえ話を使って、分かりやすく説明している印象があります。
例えば、民法全体の説明をする際に俯瞰して説明を行うというところ、ドローンを使って全体像を把握するように、といった形で説明をする工夫がいたるところに見られます。
伝えようとする内容も明確で、最初に幹となる部分をしっかり説明し、その上で各論のような形にして総則、各側を枝葉のように補足説明をしている進め方なので、ざっくりとした知識から徐々に深い理解へと進められる印象を受けます。
そのうえで、再度枝葉同士の関係や幹の部分である民法全体の説明を行っており、根幹を説明して各論を解説し、さらに各論同士の関係性や再度全体像を解説するといった形に反復して理解させる進め方は好印象でした。
内容もテキストに沿ったものなので手元のテキストを見ながら確認できるのもポイントといえます。
②【話し方について】講師の声の大きさや話すスピードは適切か?
講師の声の大きさや話すスピードは適切といえます。講師も専用のスタジオで一人で話す形なので、マスクを付けずにはっきりと声を出して説明しています。
ただ、「えー」、という言葉が序盤に度々出てくるので、その点は聞き取りにくい印象を与えますが、それでも民法の解説部分になると、そういった声は一切出てこずに説明をしているので、その点は工夫が見られます。
話し方は、敬語と砕けた言葉が混ざっていて、リズムをつけて飽きさせない工夫なのか、講師のキャラクターなのかは分かりませんが、敬語一辺倒ではない話し方になっています。
話すスピードについては、若干ゆったり目で理解をかみ砕きながら進められる流れになっていて、もちろん1.5倍速で再生してもしっかり聞き取れるので、忙しい方でもきちんと講義動画を受けられるでしょう。
ただ、他社が動画で専用字幕を用意しているのに対し、アガルートアカデミーは自動生成になっていますので、誤変換の字幕がいくつも出てくるので、その点は注意が必要です。
③【映像について】黒板の板書は見やすいか?理解しやすいか?どんな工夫がされているか?
黒板の板書について見やすさや理解しやすさ、工夫になどについては、ホワイトボードを使って、黒や赤、青と色を使い分けてポイントを見やすく解説しています。
さらにメインは、スライド方式で解説しつつテキストの部分に注釈を書き込んでいく形なので、見やすいといえます。
どうしても講師のクセのある字が気になるというには、こういった進め方の講義を受けるのがおすすめです。
理解のしやすさも高いといえます。テキストの難しい用語(帰属など)もペンでテキストに書き込むような形で注釈を書きつつ、具体的な例を挙げて説明しています。
文字も極力書きこまないようにしているので、スペースにゆとりがあり、字が読みにくいといったこともありません。
工夫としてはテキストをスライドさせていくような形で講義も進めているということです。こちらがテキストをスライドさせて読み進めていくような形で講義動画も受けられる点は好印象です。
アガルート 司法書士講座
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伊藤塾 司法書士講座:山村拓也講師

●≪プロフィール≫
【司法書士試験合格(2004年)・簡裁訴訟代理等能力認定考査合格(2005年)】中央大学法学部卒業後に司法書士試験合格し、合格と同時に伊藤塾で受験指導を始めて現在に至る生粋の伊藤塾講師です。伊藤塾での講師歴はすでに15年を超えており、自身が受け持つ講座からはこれまで最年少合格者や総合成績1位合格者などを含む多数の合格者を輩出してきた実力派講師です。
伊藤塾の山村講師の体験講座
伊藤塾の山村講師は、「【無料体験】2023年合格目標 入門講座山村クラス スタンダードコース」という56分42秒の講義動画を試聴しての感想です。
①【内容について】伝えようとする内容が明確だったか?
司法書士講座の内容は非常に明確でした。司法書士試験の出題の構成、合否判定の仕組み、合格点の推移、合格者数の推移、受験案内書、講座スケジュール、実体法と手続法などの内容に関する講義でしたが、すべての内容がわかりやすかったです。
司法書士試験の勉強をこれからする人が、少しずつ理解できるような講義でした。
いきなり法律のことを話し始めるのではなく、まず司法書士試験の概要から丁寧に説明していますので、司法書士試験がどうなっているのかを把握できますし、それから法律の講義に移っているので無理がありません。
しかも、各パートでポイントとなる部分を明確に伝えているため、多少聞き逃していても何を言っているのかよくわかります。最初から最後までスムーズに流れていく講義なので、理解しやすいと感じました。
②【話し方について】講師の声の大きさや話すスピードは適切か?
講師の声の大きさは、ちょうど良かったです。
たとえば声が大き過ぎて”うるさい”と感じる部分は、ほとんどありませんでしたし、逆に小さ過ぎて聞き取りにくいと感じる部分もありませんでした。特に聞くことに対して注意を向けなくても、耳にスーッと入ってくる自然な声の大きさだと感じました。
話すスピードも、全体的にみて適切だと思いました。
ただ、話す量のボリュームが多いので、所々スピードが速くなっている部分はありましたが、前後の言葉を聞いていれば内容は十分理解できますし、速過ぎてついていけないわけではありません。
滑舌も良いので、聞き取りやすかったです。
ちょうどよく感情を乗せた話し方なので事務的な印象は受けませんでしたし、声の大きさもスピードもほとんど問題ない話し方だと思いました。
③【映像について】黒板の板書は見やすいか?理解しやすいか?どんな工夫がされているか?
受講者が理解しやすいように工夫されている講義映像です。
たとえば司法書士試験の出題の構成や合格者数の推移などでは画面が切り替わり、表などを有効活用しながら解説しています。
しかもそれらの重要な部分は見やすいように色分けされているので、一目見れば理解できるようになっています。特に大事な部分は赤く色分けされているため、意識しなくてもそこに注意が向くような映像になっています。
また、後半で売買契約に関する講義がありますが、売買契約が進むごとに「申込」「契約」の言葉が順番に表示されるなど、売買契約がどんな流れで進むのかわかりやすいように工夫されていました。
もしも最初からすべて表示されていたら、どういう流れで売買契約が進むのかわかりにくいはずです。映像の見せ方が上手いので、内容を理解しやすいです。
スタディング司法書士講座:山田巨樹講師

●プロフィール
山田講師は明治大学法学部を卒業し、司法書士試験合格後には大手資格学校で司法書士試験の受験指導を行ったのち、大手通信教育会社や大手法律事務所での勤務経験を経て、司法書士事務所を独立開業した人です。
スタディングを運営するKIYOラーニング株式会社との出会いは2014年で、スタディングのノウハウに山田講師独自のノウハウを掛け合わせた「スタディング 司法書士講座」を新たに開発しました。
司法書士、行政書士、宅地建物取引主任者(宅建)の有資格者であり、現在のスタディングにおける肩書きは「司法書士講座主任講師」になります。
スタディング山田講師の体験講座
スタディングの司法書士講座は、公式サイトやYouTube上では見ることはできませんが、デモ講義はユーザー登録後サイト内で「失敗例から学ぶ 着実に合格する勉強法5つのルール」という15分35秒の講義動画の試聴ができますので、この動画を試聴しての感想です。

①【内容について】伝えようとする内容が明確だったか?
専用のプラットフォームで講義を行っている点、実施する講義内容について冒頭で簡単に説明している点、各項目でも大まかな「幹」の内容を解説したうえで、詳細の「枝」を説明している点で分かりやすい内容です。
専用のプラットフォームで再生をする形なので、動画のサイズが最適化されていて内容が入りやすいサイズ、画質で提供しています。これは好印象を受ける点と言えます。
次に冒頭で何を話すか?全体の流れをきちんと説明しているのも特徴で、これによって講義の内容を頭で準備できます。
最後が各項目でも大まかな内容から詳細な内容に移動していく進め方を行っている点です。いきなり各論の詳細から進める講座も多い中、詳細まで分かりやすくしようとする工夫がみられる動画です。
講義動画全体が、「大きな幹」から一本一本の「木の枝」までの細かな内容と移行するリズムが構築されているため、聞く側もリズムが取りやすい印象です。
②【話し方について】講師の声の大きさや話すスピードは適切か?1.5倍速でも聴けるか?
講師の声の大きさや話すスピードについて解説しますが、声の大きさは、ハキハキしていて聞き取りやすいものとなっており、目線もまっすぐ向いている状態なので声がこもるといったことも一切ありません。
また、よくありがちな講師の「えー」「そのー」といった余計な言葉がほとんどなく、テキパキと進めているのは講師のトレーニングが十分に感じられます。
ただ、話すスピードは、一部の方にとって若干早く感じるかもしれません。講師自身が1倍再生でも気持ち早口なので、1.5倍にすると慣れるまで苦戦する可能性があります。まずは1倍で聞きなれてから1.5倍に挑戦するのがおすすめです。
全体的に講師の話し方や声の大きさは聞き取りやすいのですが、話すスピードだけがやや早いため、その点に注意して聞いていくことが重要です。
③【映像について】黒板の板書は見やすいか?理解しやすいか?どんな工夫がされているか?
板書とその内容についても触れていきましょう。板書に関しては、一切板書をしません。あらかじめ見やすい独自のスライドを使用して説明していきます。
講師自身が追記したり、手書きで補足するといったこともなく、そういった追加情報自体もあらかじめ追加で表示されるようになっているのが特徴です。
映像も見やすいフォントで大きな字を使用しているため、スムーズに情報が入っていきます。講師の板書の癖のある字を見ることなく、全てがタイピングによる整えられた字のため、見やすく工夫が感じられます。
ただ、分かりやすい字幕、右隅に立った講師の表情やしぐさ、そしてリズムがニュース番組を延々と見ているような感じになってくるという印象をうけます。
塾や大学の講義のようなライブ感が好き、という方は若干抵抗を感じる可能性があります。
スタディング 司法書士合格コース
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まとめ
このような講座方式の講義は「講師の権威で成立する」という構造のため、どうしても独善的になりがちですが、受講生の理解を深めるために、各予備校や通信講座の講師陣が動画講義にどのような工夫が見られるかを確認しました。
改めて、講義は「講師の権威で成立する」ということがよく理解できたと思います。試験合格率も講師によって大きく変わってきますので、法律初学者は講師選びが非常に重要になってきますので、しっかり選びたいものです。
重要なことですので、もう一度お伝えしますが、講師は一度無料の体験講座で相性を確認してから決めるべきだと思います。それがあなたにとっての良い先生を見つけるコツだと思います。
