暮らしに関わるお金の知識をベースに、総合的な資金計画を立て、顧客が望むライフプラン(生涯生活設計)を実現させる専門家として人気のファイナンシャルプランナー(FP)は「お金の総合アドバイザー」です。
そして、このファイナンシャルプランナー(FP)は、企業内でも独立開業でも、その知識が両方活かせるというのが資格の魅力でもあります。
ファイナンシャルプランナー(FP)試験で合格することが唯一の道であることは間違いありませんが、目標到達のために、進むルートは変えることができます。
ですので今回は、試験合格を目指す受験生の方々に向けて「ファイナンシャルプランナー(FP)の資格取得するための2つの方法」をお伝えしますので、ぜひチェックしてみてください。
この記事の目次
ファイナンシャルプランナー(FP)資格を取得するための2つの方法とは?
この記事では、目指すべきファイナンシャルプランナー(FP)になるために、二つのルートがあることもご紹介していきます。
【方法1】ファイナンシャル・プランニング技能検定に合格する
ファイナンシャルプランナー(FP)になる方法の1つは、ファイナンシャル・プランニング技能検定に合格することです。
・ファイナンシャル・プランニング技能検定とは?
ファイナンシャル・プランニング技能検定とは、職業能力開発促進法第47条第1項による指定試験機関「一般社団法人 金融財政事情研究会」および「特定非営利活動法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会」が実施する国家資格(厚生労働省)をいいます。
この試験に合格することで人生の夢や目標をかなえる総合的な資金計画を立てるファイナンシャルプランニングが行えるようになります。
検定試験は1級、2級、3級があり、最も難しい1級を中心に、いずれも学科試験と実技試験の2つの試験で合否を決定する資格です。
・試験免除制度が用意されている
この資格は学科試験と実技試験の両方で合格しないと取得できない資格ですが、学科試験に合格して実技試験には不合格になってしまっても翌々年度まで学科試験が免除される制度が用意されています。
FPの中でも国家資格として認められているため、受験する方も多い技能検定といえるでしょう。
【方法2】AFP(AFFILIATED FINANCIAL PLANNER)に合格する
・AFPって何?
FPになる方法としてAFP(アフィリエイテッド ファイナンシャル プランナー)に合格することも挙げられます。
この資格は民間資格で、NPO法人日本FP協会が資格認定を行うもので、試験を経て合格することで資格を得られますが、厳密にはそこから日本FP協会に登録することで初めて資格が得られるようになっているのが特徴です。
・資格の更新制度がある
また、先ほど紹介した国家資格である「FP技能士」と異なり、資格更新制度があります。
これは2年ごとにに日本FP協会が定める15単位の継続教育単位を取得する必要があり、それを行わないとAFPの資格が失われてしまいますので、取得後も定期的に更新を行って資格を維持することが必要です。
・上位資格「CFP」は1級FP技能士と同等?
ちなみに、この資格はAFPの他、上位資格のCFP(サーティファイド ファイナンシャル プランナー)があります。
AFPに認定された方はCFPの試験に挑戦できるようになります。
また、先ほど紹介したFP技能士との資格と密接につながっており、2級FP技能士の資格があれば、AFPの本試験免除で登録のみによってAFPの資格を取得できるのも特徴です。
ファイナンシャルプランナー(FP)に受験資格ってあるの?
ファイナンシャルプランナー(FP)の受験資格は、資格の種類によって大きく異なります。
・国家資格「FP技能士」の受験資格は?
まず、「FP技能士3級」は、社団法人金融財政事情研究会(金財)とNPO法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会(日本FP協会)の認定を受けた講座を受けることが条件です。
次に「FP技能士2級」は、3級のFP技能士資格または金融など指定された場所での2年以上の実務経験、さらには後述するAFPの技能士講座の受講によって資格取得できるようになります。
「FP技能士1級」は、やや条件が厳しく2級FP技能士合格かつ1年以上の実務経験、または5年以上の実務経験、または後述するCFP試験の合格者が受験資格です。
・民間資格「AFP・CFP」の受験資格は?
一方、AFPは日本FP協会が定めた講座を受講し、AFPの検定を受ける必要があり、上位資格のCFPはAFP取得者が得られるようになっています。
CFPは実務経験が受験資格にありませんが、難易度はCFP技能士の1級と同じく高めで、ある程度の実務経験がないと解答できない問題も多くあります。
「FP技能士1級」と「CFP」資格の違いとは?
「FP技能士1級」と「CFP資格」の違いは、国家資格かどうか?更新制はあるか?といった違いです。
・認定する団体の違い
FP技能士1級は厚生労働省が認める国家資格を指しますが、CFPはFP技能士と同様にFPの上位資格ではあるもののFP協会が認める民間資格になります。
こういった認定する団体の違いが、最も大きな違いといえるでしょう。
・更新制度があるかの違い
また、取得者からすれば更新制の有無も大きな違いで、FP技能士1級とCFP資格の違いとして更新制があり、FP技能士1級は取得してしまえば更新する必要がなく一生涯保持できます。
一方、CFP資格は2年ごとに更新のための講座受講をしないと免許が無効になってしまうのです。
この点は大きな違いといえるでしょう。
・FP協会に所属する場合
このほかFP協会に所属するための資格としてCFPを保持する必要があるという見方もあります。
FP協会に所属するうえでFP技能士ではなくCFPを重視する傾向があり、業界団体に所属するのであればCFPを保持することは重要です。
ファイナンシャルプランナー(FP)1〜3級全て資格取得までの受験料は?
・【国家資格】FP技能検定の場合
ファイナンシャルプランナー1~3級全ての資格を取得するまでの費用は36~40万円が一つの目安です。
FP1~3級それぞれについて解説していきましょう。
まず「FP3級」は検定料が6,000円、講習会が2万円程度で、基本的にそこまで費用が発生しません。
次に「FP2級」は、検定料が8,700円、講習会の他に通信教育もあり7~10万円が目安になります。
最後の「FP1級」は、検定料が学科で8,900円、実技が20,000円(金財で受検)、25,000円(日本FP協会で受検)で、講習会や通信講座が15~20万円です。
このように等級が上がるごとに費用も増えていきます。
・【民間資格】AFPとCFPの場合
参考として、民間資格のAFPとCFPを紹介していきましょう。
「AFP」は、検定料が25,000円程度、講習会や通信教育は2級FP技能士と一緒に受講できるので7~10万円が目安です。
「CFP」は、検定料が27,000円程度、講習会や通信教育が15~20万円になります。
こちらも上位資格の方がお金がかかる傾向ですが、いずれにしてもすべての資格取得に関してはお金がかかるのです。
ファイナンシャルプランナー(FP)として独立・開業するには?
・ファイナンシャルプランナー(FP)として独立するには?
FPとして独立開業するには、資格と事務所設置、開業届を行えば可能ですが、資格は最低でも「FP技能士2級」を保持しておきましょう。
理想はFP1級を持っていることですが、難しければ実務経験を積みながら目指すことも可能です。
AFP資格もあればいいと思いますが、仕事が忙しく更新できなくなるというリスクもあるので安定したFP技能士の資格は持っておいた方が無難です。
・ファイナンシャルプランナー(FP)の資格がないとダメ?
基本的に資格なしでも事務所を立ち上げることは可能で、医師や弁護士のように資格がないと開業できないわけではありません。
しかし、信用の問題やきちんとした知識や技能を保証する意味でも資格は取得しておきましょう。
あと、忘れないように、税金関係で事業を開始してから1か月以内に、納税地を所轄する税務署に提出するようにしましょう。
・資格がなくても独立できるが「経営」は別問題!
ここまで出来れば開業はできますが、ただ、ビジネスで軌道に乗るかは実力次第です。
営業力がなければ、新規顧客を集客することもできませんし、FPとしての実力的に足りないこともあるかもしれませんので、他のFP事務所で働き経験を積んだり、保険代理店などで働くなどして実力を養いましょう。
この記事の監修者
【CFP・1級FP技能士】
久保田 美弘さん Angel Partners株式会社 代表取締役。
相続・事業承継コーディネーター、ファイナンシャルアドバイスのプロフェッショナルとして、自身の使命として一人でも多くの企業オーナー、資産オーナーの思いを次世代に承継するため、"Angel Partners Co.,Ltd"設立。オールドヴィンテージワインを愛するアルトサクソフォニスト。