「宅建の勉強を始めたけれど、思っていたより難しい」
「テキストを読んでも民法がよく分からない」
「内容は理解したつもりなのに、過去問になると解けない」
「復習しているのに、同じところでまた間違える」
宅建士試験の勉強を始めると、このような壁にぶつかることがあります。
そこで、
「宅建は難しいから、自分には向いていないのでは?」
と考えてしまう人もいるでしょう。
しかし、ここで最初に確認したいのは、宅建士試験が難しいかどうかを一言で決めることではありません。
自分の学習が、どの工程で止まっているのかを切り分けることです。
なお、合格率や過去の合格点から「宅建士試験そのものがどの程度難しいのか」を確認したい人は、「宅建士試験の合格率は低い?過去の合格点から難易度と注意点を解説」をご覧ください。
この記事で扱うのは、試験そのものの難易度ではなく、初心者が実際の学習工程のどこでつまずきやすいのかです。
初心者のつまずきは、大きく次の4つに整理できます。
| 停止点 | 起きていること |
|---|---|
| 理解 | テキストを読んでも内容そのものが分からない |
| 適用 | 内容は分かるのに、過去問になると判断できない |
| 定着 | 一度できても、時間がたつとまた間違える |
| 継続 | 理解・演習・復習のサイクルを必要な回数まで繰り返せない |
この記事では、宅建初心者が感じる「難しい」を、
理解
↓
適用
↓
定着
↓
再確認
という学習サイクルと、そのサイクルを必要な回数だけ継続できているかという観点から整理します。
「宅建は難しい」で止まるのではなく、自分がどこで止まり、どこまで戻ればよいのかを確認していきましょう。
宅建士試験はなぜ難しい?初心者は「学習工程」の途中で止まりやすい
宅建士試験が難しく感じる理由を、単に「法律の試験だから」「覚えることが多いから」と説明するだけでは、自分の学習改善にはつながりにくくなります。
重要なのは、学習を工程として見ることです。
宅建が難しい理由を「法律だから」だけで終わらせない
宅建では、法律や不動産に関する複数の分野を学びます。
初めて触れる内容が多ければ、難しく感じること自体は不思議ではありません。
ただし、同じ初心者でも、止まる場所は同じとは限りません。
ある人は民法の意味が理解できず、別の人はテキストでは理解できるのに過去問で判断できず、また別の人は一度覚えた内容を繰り返し忘れます。
つまり、
「宅建が難しい」
だけでは、まだ原因を特定できていない状態です。
そもそも宅建士試験で何を勉強するのか整理できていない人は、「宅建士試験の出題科目は?」から確認してください。
理解しただけでは問題を解けるとは限らない
テキストを読んで、
「なるほど。分かった」
と思っても、過去問になると正解できないことがあります。
文章を読んで内容を理解することと、問題文に示された条件から必要な知識を呼び出し、正誤を判断することは別の工程だからです。
理解できたことと、使えることを分けて考える必要があります。
問題を解いただけでは知識が定着するとは限らない
一度過去問に正解できたからといって、その知識を後でも同じように使えるとは限りません。
時間がたつと忘れたり、似たルールと混同したりすることがあります。
したがって、
問題に正解した
ことと、
知識が定着した
ことも別に確認します。
「理解・適用・定着」を繰り返すことが継続につながる
宅建学習は、4つの工程を一度通れば終わるものではありません。
理解する
↓
問題で使う
↓
復習して定着させる
↓
もう一度問題で確認する
という循環を、必要な回数だけ繰り返します。
010でいう「継続」とは、単に毎日机に向かうことだけではありません。
理解・適用・定着・再確認という学習サイクルを、試験に必要な状態になるまで回し続けられることです。
つまずき① 民法・権利関係で「何が起きているか」を整理できない
宅建初心者が難しさを感じやすい代表例の一つが、民法を中心とする権利関係です。
ここでは、用語を覚えるだけでなく、登場人物同士の権利・義務や条件を整理して判断する必要があります。
法律用語を覚えるだけでは問題を判断しにくい
民法を勉強すると、普段あまり使わない法律用語が数多く出てきます。
そのため、初心者はまず用語を覚えることに意識が向きやすくなります。
しかし、用語の意味だけを覚えても、実際の問題で、
- 誰が誰に何を請求できるのか
- どの権利が成立しているのか
- どの条件が結論を変えるのか
まで判断できるとは限りません。
誰にどんな権利・義務があるのか整理する必要がある
民法では、問題文の中に複数の人物や契約関係が登場することがあります。
そのときに確認したいのは、
- 誰と誰の話なのか
- どんな契約・権利関係なのか
- いつ何が起きたのか
- 誰にどんな権利や義務があるのか
です。
文章をそのまま覚えるのではなく、問題の構造を整理する必要があります。
条件が変わると結論も変わるため丸暗記だけでは対応しにくい
過去問の答えだけを覚えていると、少し条件を変えられたときに判断できなくなることがあります。
なぜその結論になるのかを理解せず、
「この問題は○」
だけを覚えてしまうと、別の問題へ知識を転用しにくくなります。
民法で止まるなら「理解」の停止点を確認する
民法の問題を見たときに、そもそも何が起きているのか整理できない場合は、過去問の回数を増やす前に理解工程へ戻る必要があるかもしれません。
宅建で民法が難しく感じる原因をさらに細かく確認したい人は、「宅建の民法が難しい理由は?権利関係で初心者がつまずくポイントと対策」をご覧ください。
つまずき② テキストでは分かるのに過去問になると解けない
次に多いのが、
「テキストを読めば分かるのに、問題になると解けない」
という状態です。
これは、理解から適用への接続で止まっている可能性があります。
「読めば分かる」と「自分で判断できる」は別
テキストには、原則や例外が整理された状態で書かれています。
一方、過去問では、問題文から自分で条件を拾い、どの知識を使うのか判断しなければなりません。
つまり、
解説を読めば理解できる
ことと、
自力で正解までたどり着ける
ことは別です。
過去問では条件を読み取り、知識を使う必要がある
過去問を解くときには、
- 何について問われているのか
- どの条件が重要なのか
- どの知識を使うのか
- 原則なのか例外なのか
を判断します。
ここで止まる場合、単純な知識量ではなく、知識を問題へ適用する工程に弱点がある可能性があります。
正解肢だけ覚えても条件が変わると対応しにくい
同じ過去問を繰り返していると、問題文を見た瞬間に答えを覚えている状態になることがあります。
その状態で正解できても、
なぜその肢が正しいのか
なぜ他の肢が誤りなのか
を説明できなければ、知識を使える状態になっていない可能性があります。
過去問は知識を「使える状態か」確認する工程
過去問は、正答数を増やすためだけのものではありません。
学んだ知識を問題の条件に合わせて使えるかを確認する工程でもあります。
過去問を何年分・何周使うのか、どのように復習へつなげるのかについては、「宅建の過去問は何年分・何周やるべき?」で整理しています。
つまずき③ 復習しているのに同じところでまた間違える
過去問を解いた後に復習しているのに、しばらくすると同じ内容をまた間違えることがあります。
この場合は、復習した量ではなく、復習で何を修正したのかを確認します。
正解・不正解を確認するだけでは原因が残る
問題を解いた後に、
「間違えた。正解は2番だった」
と答えだけ確認して終わると、次に同じテーマが出たときに再び間違える可能性があります。
復習で重要なのは、
「正解は何だったか?」
だけではなく、
「なぜ自分は間違えたのか?」
です。
間違えた原因によって戻る工程が違う
同じ不正解でも、発生原因は一つではありません。
| 間違えた原因 | 主に戻る工程 |
|---|---|
| 知識そのものを知らなかった | 理解 |
| 用語やルールの意味を誤解していた | 理解 |
| 知識はあるが、問題の条件へ当てはめられなかった | 適用 |
| 問題文の条件を読み違えた | 適用 |
| 以前はできたが、時間がたって忘れていた | 定着 |
| 復習や再確認まで十分に回せていない | 継続 |
010では、新しい知識を確認することも理解工程の一部として扱います。
原因が違えば、戻る場所も違います。
すべての不正解を「もっと暗記する」で処理しないことが重要です。
不正解という「結果」ではなく原因まで戻る
例えば、知らなかった問題なら知識を確認する必要があります。
しかし、ルールの意味そのものを誤解していたのであれば、暗記量だけを増やしても同じ間違いが残る可能性があります。
問題条件の読み違いであれば、テキストを何度読み返しても解決しないこともあります。
復習では、
間違えたという結果
だけでなく、
その結果を発生させた原因
まで戻ります。
復習後は再び問題で確認して定着を確かめる
原因を確認して必要な内容へ戻ったら、それで復習完了とは限りません。
もう一度問題を解き、修正した理解で正しく判断できるか確認します。
間違える
↓
原因を特定する
↓
理解・適用・定着の必要な場所へ戻る
↓
修正する
↓
もう一度問題で確認する
までを一つの復習サイクルとして考えます。
つまずき④ 必要な学習サイクルを最後まで継続できない
理解・過去問・復習の方法が大きく間違っていなくても、必要な回数まで繰り返せなければ学習は途中で止まります。
一度理解しただけでは定着するとは限らない
一度テキストを読んで理解できても、その知識を試験まで使える状態で維持できるとは限りません。
理解した内容を問題で使い、忘れた部分へ戻り、再度確認する必要があります。
理解・適用・定着・再確認を繰り返す
宅建学習は、
理解
↓
適用
↓
定着
↓
再確認
を一度行えば完了するわけではありません。
弱点が見つかれば必要な工程へ戻り、再び問題で確認します。
仕事や家事で時間を確保できないと工程そのものが途中で切れる
仕事・家事・育児などと宅建学習を並行する場合、学習時間を確保できなければ、
- テキストは読んだが過去問まで進まない
- 過去問は解いたが復習できない
- 復習したが再確認までできない
といった工程切れが起こります。
必要な勉強時間そのものは別記事で確認する
010では、具体的に何時間勉強すればよいかまでは扱いません。
必要な学習量と、自分が確保できる時間を確認したい人は、「宅建合格に必要な勉強時間は?」をご覧ください。
宅建でつまずいているのはどこ?4つの停止点で診断する
ここまでの内容を、自分の学習へ当てはめてみましょう。
「宅建が難しい」と一括りにするのではなく、今の状態から停止点を確認します。
| 今の状態 | 停止点 | 次に見直すもの |
|---|---|---|
| テキストを読んでも内容そのものが分からない | 理解 | 用語・ルール・民法などの基礎理解 |
| 内容は分かるが過去問になると解けない | 適用 | 問題条件への知識の当てはめ |
| 一度できても、また同じ内容を間違える | 定着 | 復習原因・反復・再確認 |
| 理解・演習・復習を必要な回数まで回せない | 継続 | 学習時間・計画・学習サイクル |
例えば、過去問の点数が低い人でも、原因が「知識不足」とは限りません。
そもそも理解できていない人もいれば、理解はできているものの問題へ適用できない人もいます。
一度は正解できるのに、復習・再確認が不足して定着していない場合もあります。
そのため、
結果だけを見るのではなく、どの工程で結果が崩れたのかを見る
ことが重要です。
宅建初心者はどう立て直す?止まった工程まで戻る
停止点が分かったら、すべてを最初からやり直す必要はありません。
止まった工程まで戻って修正し、その後もう一度問題で確認することを考えます。
①分からないなら「理解」まで戻る
問題以前にテキストの意味が分からないのであれば、過去問の回数を増やすより先に理解へ戻ります。
特に民法などで、登場人物や権利関係そのものが整理できない場合は、基礎理解を作り直します。
民法・権利関係で止まっている場合は、「宅建の民法が難しい理由は?」で停止原因をさらに細かく確認できます。
②分かったのに解けないなら「適用」を確認する
テキスト内容は理解できるのに過去問が解けない場合は、知識を問題条件へ当てはめる工程を確認します。
「知らない」のではなく、「使えていない」可能性があります。
過去問の使い方そのものを見直したい場合は、「宅建の過去問は何年分・何周やるべき?」へ進んでください。
③繰り返し間違えるなら「定着」を確認する
同じ内容を何度も間違える場合は、正解を覚え直す前に、
なぜ前回の復習で修正できなかったのか
を確認します。
理解不足なのか、適用ミスなのか、忘却なのかによって戻る場所を変えます。
④学習サイクルが回らないなら「継続条件」を見直す
やるべきことは分かっているのに、演習・復習・再確認まで進まない場合は、意志の問題だけとして処理しません。
必要な学習量に対して、仕事や家事を含む生活の中で時間を確保できる設計になっているか確認します。
必要な総学習量を確認したい人は、「宅建合格に必要な勉強時間は?」で整理してください。
⑤修正後はもう一度問題で確認する
どの工程へ戻った場合でも、最後は再び問題で確認します。
理解できたと思っただけでは、本当に修正されたか分からないからです。
問題でつまずきを発見
↓
原因を切り分ける
↓
必要な工程へ戻る
↓
修正する
↓
もう一度問題で確認
という循環で学習を進めます。
初心者がつまずいたとき、やみくもに勉強量だけ増やさない
宅建学習がうまくいかないと、
「もっと勉強時間を増やさなければ」
「もっと過去問を解かなければ」
と思うことがあります。
必要な学習量を確保すること自体は重要です。
しかし、停止原因が残ったまま量だけ増やしても、同じ学習不良を繰り返す場合があります。
時間を増やしても停止原因が残れば同じ失敗を繰り返すことがある
例えば、民法のルールを誤解している状態で過去問を追加しても、同じ誤解に基づいて判断し続ける可能性があります。
復習で正解しか確認していない場合も、問題数だけ増やして同じ誤答を繰り返すことがあります。
まず理解・適用・定着・継続のどこが止まっているかを見る
勉強量を増やす前に、
- 内容そのものを理解できているか
- 問題で使えているか
- 復習後も再現できるか
- 必要な学習サイクルを継続できているか
を確認します。
すでに勉強しているのに得点が伸びない場合は専門記事へ進む
一定期間学習を続け、過去問にも取り組んでいるのに点数が伸びない場合は、初心者の一般的なつまずきより一段深く原因を切り分ける必要があります。
その場合は、「宅建の点数が伸びない原因は?復習・質問・模試で立て直す方法」へ進んでください。
宅建初心者が難しさを感じたら、次に何を確認する?
010の目的は、「宅建は難しい」と説明して終わることではありません。
自分がどこで止まっているかを特定し、次に確認する内容を決めることです。
| 現在の疑問・停止点 | 次に確認する記事 |
|---|---|
| 民法・権利関係で内容そのものを理解できない | 宅建の民法が難しい理由を確認する |
| テキストでは分かるのに過去問が解けない | 宅建の過去問の使い方を確認する |
| 勉強を続けているのに点数が伸びない | 宅建の点数が伸びない原因を確認する |
| まだ何から勉強すればよいか分からない | 宅建初心者は何から勉強するか確認する |
| 必要な学習量・時間が分からない | 宅建合格に必要な勉強時間を確認する |
| そもそも宅建で何を勉強するのか整理できていない | 宅建士試験の出題科目を確認する |
| 学習方法ではなく、試験そのものがどの程度難しいのか知りたい | 宅建の合格率・合格点から難易度を確認する |
010では、一つの出口へ全員を送る必要はありません。
読者によって、止まっている工程が違うからです。
自分の停止点に対応する専門記事へ進むことが、010の次工程です。
まとめ|宅建の「難しい」は、どこで学習が止まったかに分けて考える
宅建士試験の勉強を始めて難しさを感じたとき、
「自分には宅建は無理なのでは?」
とすぐに結論づける必要はありません。
まず、自分の学習を4つの停止点に分けて確認します。
- 理解|学んでいる内容そのものを理解できているか
- 適用|理解した知識を過去問で使えるか
- 定着|間違いを復習し、後でも同じ判断を再現できるか
- 継続|理解・適用・定着・再確認のサイクルを必要な回数まで回せているか
そして、問題を間違えた場合は、
できなかった
↓
なぜできなかった?
↓
理解・適用・定着・継続のどこへ戻る?
↓
修正する
↓
もう一度問題で確認する
という順番で考えます。
大切なのは、
勉強時間や問題数を増やす前に、自分の学習がどこで止まっているのかを確認すること
です。
民法・権利関係で止まっている人は、
テキストでは分かるのに過去問で解けない人は、
勉強を続けているのに得点が伸びない人は、
まだ学習を始める順番そのものが分からない人は、
この記事の位置づけ
・宅建士試験で何を学ぶか:
宅建士試験の出題科目
・宅建士試験そのものの難易度:
宅建士試験の合格率・難易度
・必要な学習量:
宅建合格に必要な勉強時間
・初心者の学習開始順:
宅建初心者は何から勉強する?